伊藤あおい 鋼メンタルで本戦決めた


2時間26分激闘制す
伊藤あおい選手が3月17日、マイアミ・オープン予選2回戦(WTA1000、マイアミ)で、そのメンタル・タフネスぶりを見せつけた。
第5シードで世界ランク76位のE・リス(ドイツ)との対戦。4-6,6-4,6-2のスコアで、2時間26分の激闘を逆転で飾った。
ドイツナンバーワンを返り討ち
昨年10月の木下ジャパンオープン準々決勝でも顔を合わせた相手。その時も、第1セット6-7、タイブレーク8-10で落とすという苦しい展開だったが、そこから逆転勝利。
この日も同じように第1セットを落とした後、「沼」に引きずり込んだ。
ドイツナンバーワンの23歳、雪辱に燃えていた格上選手をきっちり返り討ちした。
自己最高106位を更新したばかりの伊藤が、いよいよ100位以内突入へ、今後も互角以上にわたりあえる、より強い確証を得た一戦にもなった。
ブレークポイント7割セーブ
どちらに転んでもおかしくない展開だった。各セットごとのブレークポイントセーブの割合を比較する。
リスが平均的な50%を割る46.7%に対して、伊藤は68.4%。特に第2、第3セットで75.0%と高い数字を誇った。
試合は両者ともブレークの応酬だった。第1セットはリス3度、伊藤2度。第2セットは伊藤3度、リス2度、第3セットは伊藤3度、リス1度の、計14度。
全28ゲーム中の半分、14度ものブレーク合戦。最後は競ったゲームの粘りの差で伊藤がマッチを制する形となった。
伊藤対リス セットごとのブレークポイントセーブ割合 | ||
伊藤 | リス | |
第1S | 57.1%(4/7) | 33.3%(1/3) |
第2S | 75.0%(6/8) | 50%(3/6) |
第3S | 75.0%(3/4) | 50%(3/6) |
マッチ | 68.4%(13/19) | 46.7%(7/15) |
対象的な長いデュースの2ゲーム
伊藤が逆転した第2セットからのスコアは6-4,6-2と簡単に見えるが、実は非常に長いゲームが2度あった。
第2セットの第6ゲーム。3-2とリードして迎えた伊藤のサービスゲーム。6度のデュースの末、このゲームだけで18ポイントを争い、伊藤がモノにした。
リスは思わずラケットをコートに投げつけた。ブレーク合戦の中、これが伊藤が第2セットを制するキーゲームとなった。
そして第3セットの第2ゲーム。1-0でリードして迎えた伊藤のサービスゲーム。8度のデュースの末、今度は逆にリスにブレークポイントを握られる。
ここで8度のロングラリー。バックを突いてスルスルッと前に出た伊藤だったが、そのサイドを見事に抜き去る、リスのバックの見事なダウンザラインが決まった。
伊藤に5度のアドバンテージがあったが、最後の1ポイントが遠かった。このゲームだけで22ポイントを戦った。キープできていれば、そのまま楽に勝ちきれるだろう勝負どころを、逆に奪われた。
伊藤もしばらく膝を抱え、うつむくほどのショックな失ゲーム。しかも、続くリスのサービスゲームは3度のデュースの末、キープされて、1-2とリードを許した。
どう見ても立ち直るのは簡単ではないように思われた。だが、伊藤は違った。
メンタルお化けだ
続く第4ゲームをキープして追いつくと、そこから2ブレークし、自らは3連続キープ。ブレーク合戦の流れを断つ、驚きの5ゲーム連取。
イッキに試合を決めようと、より強打に向かうリスに、逆にミスを誘うフォアスラ配球。要所要所では前に出て、自らもキッチリ攻めた。相手セカンドサーブ時のリターンポイントウォンは、このセット76.9%(10/13)。全く動じぬ心で、攻撃力のある精度の高いラリーを続け、ポイントを重ねていった。
ショック大の失ゲーム以降のポイントは、なんと20‐8。
各セットごとの互いのポイント数は非常に拮抗していただけに、これがいかに驚異的なことかが分かる。自らも「自信があるのはメンタルかな」という言葉通り、通常は落ち込むところを逆に勢いづくという「鋼の精神力」で勝利をつかんだ。
伊藤対リス セットごとのトータルポイント | ||
伊藤 | リス | |
第1S | 31 | 37 |
第2S | 39 | 34 |
第3S 1-2まで | 20 | 22 |
第3S 1-2以降 | 20 | 8 |
マッチ | 110 | 101 |
本戦の相手は?
これで2月のカタール、ドバイに続いて、3度目のWTA1000の本戦入り。過去2度勝ち上がったのWTA1000の本戦は、いずれも1回戦敗退。カタールは元世界5位のJ・オスタペンコに2-6,1-6。ドバイは元世界4位のB・ベンチッチに0-6,2-6と、いずれも完敗だった。
今大会本戦の1回戦の対戦相手は世界229位、L・デイビス(米国)に決まった。31歳でツアー優勝経験2度、2017年にキャリアハイの26位をマークしているテクニシャン。とはいえ、やっと世界ランク下位選手との組み合わせになった。
▶「US Open Tennis Championships」動画より 2022年対シフォンテク
動画でも分かるように、デイビスは、バックハンドが武器で、両手バックのスピンショットと、片手スライスを見事なまでに使い分ける。
両手バックとフォアスラを得意とする伊藤がどう対抗するか、そしてWTA1000初勝利へ「3度目の正直」となるか、注目だ。
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