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伊藤あおいの試合予定と結果は
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柚木武 サービス力の可能性

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 柚木武(ゆずき・たける)。1月31日、2月1日に行われるデビスカップ2025、英国戦で初めて代表入りしたダブラーのロマン砲(ダブルス専門&魅力あふれるサービスの持ち主)だ。某有名テニスYouTubeチャンネルなどをご覧の方は、ご存知だろうが、他の日本代表と比べて、あまりにパーソナルな情報が少ないのでまとめることにした。

 1998年9月22日栃木県真岡市生まれ。26歳。6歳からテニスを始め、文星芸大付高から法大。全国でそれほど目立った成績はなかったが、4年時の2020年、インカレダブルスを岡垣光祐とのペアで初優勝。シングルスは準々決勝で羽澤慎治(慶大)に0ー6、7-6、5ー7で惜敗しベスト8。

 大学主要大会で優勝した場合はプロ挑戦の目標通りに、2021年にプロ転向を果たす。2024年3月から渡辺聖太(橋本総業)と組んで大躍進する。10月の全日本選手権男子ダブルスで初優勝(渡辺は23年に続き2度目)。チャレンジャー大会でも3度の優勝。2024年4月のチリConcepcion、8月の中国Zhangjiagang International、11月の松山大会で制覇し、ランキングを上げる。

▶全日本選手権決勝 Japan テニスLIVE公式さまの動画より(後半がダブルス)

 2025年1月の全豪オープン アジアパンパシフィック ワイルドカードプレーオフでは4試合に勝利し切符を得た。今回の2025全豪オープンでグランドスラムデビュー。1回戦で敗れたが、サンティアゴ・ゴンザレス(メキシコ)、ルーカス・ミードラー(オーストリア)組から第1セットを奪う健闘を見せた。スコアは6-1、3ー6、4ー6。

 196㌢、95㌔。1000番台だったダブルスのATP世界ランクも着実にあげ、2025年1月13日付最新ランクは144位。サウスポーの長身から繰り出されるサービスが最大の魅力。

 デビスカップなどの団体戦でカギとなるのがダブルス。日本にダブルスのスペシャリストがなかなか生まれないことは、従来から懸念されてきた。一時期、マクラクラン勉に救われたが、一線を退きつつある現在は、新たな戦力を見出す必要がある。添田豪監督が、柚木を抜擢した理由は明らかだ。

▶全豪オープン シングルス最速サービスランク(ベスト8時点)

選手名最速身長利き手
ジョバンニ・
ムペツィペリカール
232km203cm
パーヴェル・コトフ231km191cm
ライリー・オペルカ227km211cm
ベン・シェルトン227km193cm
クエンティン・ハリーズ226km191cm
アレハンドロ・
ダビドビッチ・フォキナ
223km183cm
イジー・レヘチカ222km185cm
アレクサンダー・ズベレフ222km198cm
ガブリエル・ディアロ221km203cm
10ハイメ・ファリア221km188cm
11トミー・ポール221km185cm
12テイラー・フリッツ220km196cm

 柚木が測定器で測った自己最速は時速228kmだという。今回の全豪オープン1回戦で記録した最速は221kmだった。

 果たしてその力は、世界のATPランカーたちの中で、どれぐらいの位置にあるのか。前衛パートナーに決めさせるのが主のダブルスとは一概に比べられないが、選手名をわかりやすくするため、あえてシングルスの選手と比べることにした。

 上の表で見ると、柚木の221kmは錦織を破ったトミー・ポールと同じ。トップランカーのフリッツを超え、ズベレフとも遜色ない。228kmで考えれば、シェルトンやオペルカと言った超ビッグサーバーと同レベルということになる。しかも、長身196cmの角度から、さらに左。アドバンテージサイドのワイドサーブは、相手をコートの外に大きく追い出し、右利きの場合、バックハンドになる。対戦する者からすれば、これほどやっかいなものはないだろう。

 イギリス戦の布陣はわからないが、個人的には柚木、綿貫陽介との26歳同学年ペアで挑むことを期待している。身長180cmの綿貫の魅力あふれるサービスは、皆さんもご存知だろう。実現すれば、日本にとっては「史上初」と言える新しい形の大型ペアとなる。

 一方、相手はダブルス元世界1位(現在18位)のN・スクプスキが、その一人となるのは間違いないだろう。35歳の老獪なダブルススペシャリストに、柚木らの勢いがどこまで通用するのか、サービスの最高速度以上に、世界との距離を測る大事な戦いとなる。

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ABOUT ME
テニスうどん
テニスうどん
駆け出しブロガー
スポーツ紙勤務30年で退職した元野球記者、データコラムニスト
大学時代は関西1部リーグ庭球部所属もボーラー、ベンチコーチの方が多かった
数字でテニスを深堀り!時々ただの観戦記。わかりやすくテニスの魅力が伝わればと
ATP、WTAの公式データを参考にさせていただいています。
U-NEXT、WTAのテニス配信も利用させていただいています。
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