錦織サービスゲームに「時短」を見たの巻

~2025年全豪オープン1回戦 逆転勝ちから~

5セッター錦織が本領を発揮して6年ぶりに全豪オープン初戦を突破した。心配した通り、Tモンテイロの爆発力のすごさは序盤2セットに現れた。それでも、錦織は4時間6分をかけ、2度の相手マッチポイントをしのいで完全攻略した。
これでフルセットとなればキャリア29勝8敗。全豪では8勝1敗と驚異の数字。時間を経るごとに相手サーブのコース、球種、クセを見抜き、リターン精度を上げていった。錦織から見たレシーブポイントウォン。24%→②23%→③30%→④42%→⑤42%。機会を重ねるごとに上昇。世界屈指のリターナーらしい戦いぶりだった。この本領ぶりを、より助けたのは自らのサービスゲームの「時短」ではなかったか。
通常よりもサービスゲームを楽に戦えた分、よりリターンに集中できた。2回戦に臨むうえで、スコア以上の消耗も避けられたと感じた。気になったので錦織のサービスゲームとモンテイロのサービスゲームで要した時間を、計測し直してみた。通常テニスにない指標だろうが、サービスモーションに入ってからからゲームが決まるまでの時間を手動で測ってみた。
▶錦織モンテイロ戦 自らのサービスゲームで要したポイント数とその時間
錦織 | モンテイロ | |||||
サービスG ポイント数 | 要した時間 | 1Gあたり 平均時間 | サービスG ポイント数 | 要した時間 | 1Gあたり 平均時間 | |
26(5G) | 12分04秒 | 2分24秒 | 第1S | 29(5G) | 16分47秒 | 3分21秒 |
31(6G) | 13分44秒 | 2分17秒 | 第2S | 33(6G) | 20分42秒 | 3分27秒 |
35(6G) | 14分28秒 | 2分24秒 | 第3S | 44(6G) | 27分12秒 | 4分32秒 |
21(4G) | 7分55秒 | 1分58秒 | 第4S | 31(4G) | 20分17秒 | 5分04秒 |
22(4G) | 9分46秒 | 2分26秒 | 第5S | 26(5G)) | 18分45秒 | 3分45秒 |
140 | 57分57秒 | 2分18秒 | 通算 | 169 | 1時間43分38秒 | 3分58秒 |
※第2Sタイブレークはポイントも時間も除いて計算
1ゲームあたり平均2分18秒の錦織に対して、モンテイロは3分58秒。トータルでは錦織55分に対して、モンテイロ1時間43分。45分以上、錦織のサービスゲームの時間の方が短かった。それにしても大きな差だ。
ビッグサーバーのモンテイロのサービスエース21本に対して、実は錦織も17本を奪っていた。ラブゲームキープは、モンテイロと同じ7度もあった。サーブの威力では到底叶わないが、巧みな配球に加え、時折見せるサーブアンドボレーなどでフリーポイント、ショートポイントを重ね、終始、自らのサービスゲームを優位に進めた。モンテイロの淡白さもあったろうが、5セット通じて、自分がブレークポイントを与えたのはわずか7度だけだった。
▶両者の1stサービスインの確率と同ポイント獲得率のセット推移
モンテイロ | 錦織 | |||
1stイン 確率 | 1st ポイント 獲得率 | 1stイン 確率 | 1st ポイント 獲得率 | |
76% | 82% | 第1S | 69% | 78% |
56% | 82% | 第2S | 72% | 77% |
68% | 77% | 第3S | 71% | 84% |
48% | 73% | 第4S | 76% | 94% |
73% | 53% | 第5S | 73% | 75% |
64% | 74% | 通算 | 72% | 81% |
第1セット、モンテイロの1stインの確率は76%。うち82%でポイントを奪われた。第2セットもイン確率こそ56%下がったが、ポイント獲得率は82%を堅持された。錦織にとっては「諦めかけた」ほど、手の施しようがないほどの、相手の好調ぶりだった。
だが第3セットの第1ゲーム。モンテイロのサービスゲームで20ポイント分、約15分間のロングゲームを戦い、プレッシャーを与えた。錦織はその直後の第2ゲームをわずか1分14秒で時短キープ。なかなかブレークできない厳しい状況にも、均衡を保ち続けた。
その後、モンテイロのサービスゲームは4ゲーム連続ラブゲームキープというさらに厳しい展開。それでも錦織サーブの第10ゲームは2度のマッチポイントを握られながら危機を乗り越えた。そして迎えた第11ゲーム、この日12度目のブレークポイントでついに初ブレークに成功。
第4セットもモンテイロのサービスゲームで10分44秒プレーさせ、直後の自分のサービスゲームは1分45秒であっさりキープ。自らのサーブは短く。逆にリターンでは粘り強く。じわりじわりとかけ続けた重圧が、モンテイロには、ボディーブローのように効いていったことだろう。
第4セット、モンテイロの1stイン確率は48%まで落ち、獲得率も下がって73%に。最終セットはイン確率73%と再び上げてきたが、獲得率は53%にまで下がった。モンテイロが19度入れたファーストのうち、錦織は10ポイントしか与えなかった。ファーストを入れれば8割方ポイントを奪えていたものが、半分にまで落ちれば、モンテイロのサービスキープは格段に苦しくなる。
第3セットまで、12分の1だったブレークポイントウォン。結局、第4、5セットでは計7度ブレークポイントをつかみ4度奪った。一方、リターンでより集中を可能にした自らのサーブ。5セットを通じて1stイン確率ほぼ70%前後、ポイント獲得率も平均81%と終始安定。序盤のモンテイロの圧倒的な破壊力ばかりに目が行ったが、実は最終的には錦織の方が、サービスのスタッツは上だった。

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