伊藤あおい計算ずくの7ゲーム連取


7ゲーム連取の猛ラッシュ
世界ランク101位の伊藤あおい(20歳)が4月25日、安藤証券オープン準々決勝に臨み、世界192位のH・ワトソン(32歳=イギリス)を試合時間1時間9分、6-3,6-3で圧倒した。これで4強進出。第1シードで臨む大会をキッチリ勝ち上がっている。
1回戦では「まるで、わざと相手にポイントを取らせているのではないかと思いたくなる」と、少々誤解を招くような表現をしたが、この日は、まさにそれを再現するかのような試合展開だった。
第1セット先にブレークを許す。しかし、第1セットゲームカウント1-3から何と7ゲーム連続奪取の猛ラッシュを見せた。
連取時以外のポイントは負けてる
全部攻めるのは非効率と言わんばかり。
その7ゲームの間でのポイント差だけで文字通り逃げ切ってしまった。
第1セット1-3までの両者のポイント数は伊藤13に対してワトソン16。3ポイント負けている。
だがそこからが伊藤の真骨頂だった。7ゲーム連取の間のポイント数は28-11の圧倒劇。
完全に自分から攻めきって、奪い取った。
28ポイントのうち12本までが完全なノータッチウイナーだった。
相手の3度のサービスゲームで見せた2度の鮮やかなリターンエースを始め、バックのジャックナイフのリターンからネットに出てボレーウイナーを奪うなどした。
トータルポイント推移 | 伊藤 | ワトソン |
第1S 1-3まで | 13 | 16 |
第2S 2-0まで | 28 | 11 |
第2S残りまで | 25 | 25 |
マッチ通算 | 66 | 52 |
ポイントをコントロールしている?
最後まで勢いに乗ってこのペースで行こうとするのが普通だろうが、勝負師・伊藤の頭脳戦略はどうも違うようだ。
1ブレークアップの後、また相手に3ゲーム連続でサービスキープを許す時間帯が続く。
そして最後の第9ゲーム、図ったように攻めてブレーク。
相手があるスポーツなのに、完全に自分だけがゲームをコントロールしているかのように勝ってしまった。
7ゲーム連取の後から数えた第2セットの両者のポイント数は25-25と同点。
7ゲーム連取の時間帯以外のポイントは38-41と負けている。
だが、そんな風には全く見えないまま淡々と勝ってしまうのが、伊藤のゲーム運びのうまさと言えるのだろう。
先リードし続け
なぜそんな怒涛の攻撃が、うまく成功できるのか。
7ゲーム連取の間、伊藤は、ほぼすべて相手より先にポイントをリードしていた。
いわゆるよく掛け声で飛ぶ「先リード!」を実践し続けた。
第1セットの第8ゲーム、ワトソンが自らのサービスゲームで1ポイント目を先に取った以外はすべて伊藤がリードしている状況だった。
圧勝している間だから当たり前とも言えるが、ここまで続くのは珍しい。
自分の有利なポイントなら思い切ったショットも成功しやすい。ネットに出れば、より相手のプレッシャーも大きくなる。
まさに攻め時を心得ていた。
第1セット 第5ゲーム以降 | |||||||
伊藤 | 15 | 30 | 40 | G | 2-3 | ||
ワトソン | |||||||
伊藤 | 15 | 30 | 40 | G | 3-3 | ||
ワトソン | 15 | 30 | |||||
伊藤 | 15 | 30 | 40 | G | 4-3 | ||
ワトソン | 15 | ||||||
伊藤 | 15 | 30 | 40 | G | 5-3 | ||
ワトソン | 15 | 30 | |||||
伊藤 | 15 | 30 | 40 | G | 6-3 | ||
ワトソン | 15 | 30 | |||||
第2セット 第2ゲームまで | |||||||
伊藤 | 15 | 30 | 40 | G | 1-0 | ||
ワトソン | 15 | 30 | |||||
伊藤 | 15 | 30 | 40 | G | 2-0 | ||
ワトソン | 15 | 30 |
すべて攻めないうまさ
伊藤は相手に嫌だと思われるプレースタイルを目指しているのだろうが、それは何もコート上のショットのことだけではない。
相手の一瞬の隙をつき、メンタルを惑わすのが実にうまい。
伊藤の強さを考える時、スピン、スライスの回転量の変化、ボールの軌道の高低を使って相手に考えさせ、ミスさせる点が真っ先に目立つ。しかし、単なるミス待ちプレーヤーではない。
実は勝負どころできっちり自ら攻め、ポイントを奪える引き出しを持っている。
だが、それを長く続ければ、フィジカルプレーヤーではない自分自身も疲れてしまうし、相手にも悟られ、慣れられてしまう。
うまくペース配分して
大事な時間帯で、チェンジオブペースできることこそが「伊藤沼」のもう一つの正体なのだろう。
代表合宿過ごした柴原と対決
さあいよいよ準決勝。
ビリー・ジーン・キング・カップでともに日本代表として戦った柴原瑛菜と対決する。
2024年4月、かしわ国際の準々決勝で、過去1度だけ対決し敗れている。スコアは4-6,7-6,3-6。特にファイナルセットは全9ゲーム中5ゲームがデュースにもつれ込む一進一退の攻防。伊藤が1ブレークを許した以外は両者すべてサービスキープ。トータル2時間45分に及ぶ、大激戦だった。
1年前より確実にレベルアップしている両者がどんな戦いを見せるのか。
準決勝ではもったいない、と言いたくなるようなハイレベルな戦いになりそうだ。
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