錦織圭のボディーサーブが効いているの巻

錦織圭の香港オープンは準優勝に終わった。6年ぶり決勝に駒を進め、優勝まであと一歩と迫った。ここまで一番の山場は2回戦のハチャノフ戦だろう。
1回戦のシャパバロフ戦でも気になっていたのだが、今シーズンに入って、ボディーサーブが実に有効に働いてると感じた。サービスゲームの動画を改めてすべて見返してみた。

おいおい、なんかいつもよりボディーサーブ多くない?
ハチャノフ戦の第1セット(4-6)。錦織のサービスゲームは5G。ファースト、セカンド合わせてサービス33本。うちW(ワイド)16本、T(センター)12本。ボディー5本。サービスのコース割合はW48%、T36%、ボディー15%。(四捨五入のため100%にはなりません)。一般的にボディー10~15%と言われる中で、平均より少し多いかなぐらいの印象。
ボディーサーブいいじゃない!
第2セット(6-3)。錦織のサービスゲームは5G。サービス31本。ワイド13本、T11本、ボディー7本。割合はW42%、T35%、ボディー23%。身長198センチの両手バックを幾度となく窮屈にさせた。特に仕上げとなる5ー3で迎えた最終第9G。勝負どころの30ー30のファーストサーブで意表を付くボディー。浅くなったリターンを完璧な3球目攻撃で仕留め、セットポイントを手にした。40ー30のアドバンテージサイドでは、セオリー通りファースト、セカンドともワイド、ワイドを続け、あっさりセットを奪う。カチャノフを迷わせ、強烈に「勝負どころでのボディー」への印象付けることに成功した。
第3セット(7ー5)。錦織のサービスゲームは6G。サービス48本。ワイド13本、T11本、ボディーは7本。割合はワイド46%、T31%、ボディー25%。明らかに意図的にボディーを増やしたように感じた。序盤の第2、4Gでは有利ではないポイントにもかかわらず、セカンドサーブで勇気ある「ボディー攻撃」。決してコースが甘くなった訳ではない。あくまでより強力な意識付けを狙ったものだろう。
そして互いにオールキープ、ゲームカウント3ー4で迎えた第8G。錦織はファーストサーブをことごとく、ボディーに打ち込んだ。ハチャノフのリターンは、スライス返球となったフォア、詰まらせ気味のフォア、窮屈に振り遅れさせたバック。なんと3連続ボディー。うち2度は浅くなったリターンを3球目攻撃で仕留める完璧な内容。カチャノフは首を振り、陣営を見つめ、完全に翻弄された様子を見せた。嘲笑うように0ー40から、ワイドサーブを放つとカチャノフはリターンをネットにかけた。ラブゲームで4ー4とし、完全に流れに乗った。
4ー5で迎えた、続く錦織サービスゲームの第10G。今度は一転、ボディーを封印した。T、Tと2本ファーストを入れながら0-30のピンチ。ここで3連続目となるTへのノータッチエースでしのいだのが大きかった。TTTWTWWでキープ。第8Gで布石を打ったボディーを全く使わなかったことが、逆にハチャノフへのボディーへの意識を、さらに脳裏に焼き付けることになったろう。
そして第11ゲームをブレークし、6ー5で迎えた締めのサービスゲーム。ここでもボディーを使わない。Tから始まりWWWWと4連続。30ー15からワイド5連続はないだろうと読んだハチャノフの逆を突くワイド!188キロのノータッチエース。
40ー15。これだけ、偏らされると、さすがにハチャノフはワイドに意識がいったことだろう。ここでようやく、錦織は、この「マッチの宝刀」を抜いた。そう、正面へのボディーサーブ。ハチャノフが苦し紛れにフォアで返すだけになったリターンを、錦織はあっさりオープンコートに仕留め、勝負を決めた。
サービスはスピード、回転だけではないこと。さらに、コースの打ち分けは、一定の割合の問題だけではないこと。セット、ゲーム間で、いかに相手を惑わすように変えていくか。プロの思考を存分に体現してくれた。
錦織のハチャノフ戦サービス割合の変化
錦織のSコース | 第1S | 第2S | 第3S |
ワイド(W) | 48% | 42% | 46% |
センター(T) | 36% | 35% | 31% |
ボディー | 15% | 23% | 25% |
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