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伊藤あおいの試合予定と結果は

伊藤あおい WTA1000初勝利あと一歩

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世界ランク106位の伊藤あおい選手が3月19日、マイアミ・オープン1回戦(マイアミ)に臨んだ。世界229位のL・デイビス(米国)と2時間44分の激闘を演じた。しかし、4-6,6-3,4-6のスコアで惜しくも敗退。WTA1000大会の初勝利はお預けとなった。

両者のトータルポイントは110対110と全く同じ。サービス、リターン時でのポイントもほぼ同じ。ここまで拮抗するのは、むしろ珍しい。本当に、どちらに転んでもおかしくないゲームだった。

伊藤対デイビス ポイントウォン比較
デイビス伊藤
56.0%(65/116)サービスポイントウォン56.7%(54/104)
43.3%(45/104)リターンポイントウォン44.0%(51/116)
50.0%(100/220)トータルポイントウォン50.0%(110/220)

第1セット、第2セット終了時点でのトータルポイントを見ても伊藤「76」対デイビス「77」。第3セットも、ゲームカウント3-4まで「26」対「26」。4-5まで「33」対「35」。

そして最終セット1ブレークずつで迎えた伊藤のサービスゲームの第10ゲーム。攻撃的なバックでサイドアウト、ネットとミスを重ね0‐30、相手のリターンミスで15‐30としたあと、得意のフォアのスライスを2連続ミス。ブレークを許すイコール、ゲームセットとなった。

もつれていたのがウソのように、あっさり試合は終わってしまった。これで、このセットのトータルポイントは「34」対「39」と、ようやく5ポイント差がついた。

31歳のデイビスは、現在の世界ランクこそ229位だが、2017年には26位。シングルスタイトル2個を持つ。ツアーで700試合近く戦い、グランドスラム本戦出場も42度。この歴戦のツワモノに、本当にうまく戦われた。

伊藤がスライスを混ぜると、デイビスは、序盤こそミスを重ねるシーンもあったものの、徐々に対応。精度の高いフォアのクロス、ネットプレーで対抗した。何よりバックハンドの精度が高くミスをしなかった。

これを見て、伊藤は、攻撃的なフォアスライスとフォアやバックのムーンボールを混ぜ始めた。

タイミングを変え、かつ相手の目線を上下に動かし、ミスを誘い出す、得意な「攻撃」パターンだ。

この展開に持ち込んだシーンをすべて数えた。

伊藤は第1セット6度つくり6度成功。最後はいずれも相手のミスを引き出した。

第2セット、第4ゲームで相手に見事なフォアウイナーを決められ初失点。その後2度成功するが、第8ゲームで再び失点。その後、第9ゲームで成功も、このセットは6度中4度成功にまでポイントできる確率は低下した。

第3セット、第2ゲーム。同じ展開に持ち込んだが、じっくりと攻められ、ネットを取られる。沈めてファーストボレーをさせようとしたフォアスラをネットにかけた。

伊藤は高く両足ジャンプし、頭を抱えて悔しがった。

以降、この作戦をとることは1度もなかった

相手は落ち着いてネットプレーにまで持ち込んでおり、簡単にミスはしてくれないことを悟ったはずだ。

前大会のBNPパリバで痛めた右足首にはテーピングが巻かれたままで、ロングラリーへの不安も多少なりともあったかもしれない。

ならばと、得意のバックで攻める作戦に切り替えた

タイミングを変えるライジング気味のショットで相手の時間を奪おうとする。

相手の身体の上下に揺さぶったあとは、タイミングのズレに勝機を見い出そうとする。

ダウンザライン、逆クロスでウィナーも奪った。ネットプレーも駆使した。フォアも強打を増やしたが、それでも相手は集中力を切らさず、ポイントの均衡状態が続いた。

そして疲れた表情を見せた伊藤が、最後の1ゲームで音を上げてしまうような形になった。

たった1ゲームのアンフォースドエラーの多さの差だけで、即敗戦につながる厳しさを知った。

だがポイント的にも戦略的にも本当に互角だった。

今2月、カタール、ドバイと出場したWTA1000の両大会では、いずれも予選2試合を勝ち抜き本戦入り。しかし、1回戦で敗れていた。

カタールでは元世界5位のオスタペンコ(ラトビア)に2-6,1-6。ドバイでは元世界4位のB・ベンチッチ(スイス)に0-6,2-6で完敗。

3度目の挑戦となった今回、トップレベルの厳しさを学ぶ一方で、「1回戦の壁」をあと一歩で越えられるという手応えも、つかんだはずだ。

第3セット2-3、自らのサービスゲームという緊迫した場面で、コートに現れた虫をラケットに乗せて逃がしてあげ、大きな拍手も受けるという「らしい」シーンもあった。

世界ランク100位以内に突入も、ほぼ確実視される。このほんわかマイペースぶりで、連戦の疲れをとり、足首を完治させ、次こそ勝利を手にしてほしい。

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ABOUT ME
テニスうどん
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駆け出しブロガー
スポーツ紙勤務30年で退職した元野球記者、データコラムニスト
大学時代は関西1部リーグ庭球部所属もボーラー、ベンチコーチの方が多かった
数字でテニスを深堀り!時々ただの観戦記。わかりやすくテニスの魅力が伝わればと
ATP、WTAの公式データを参考にさせていただいています。
U-NEXT、WTAのテニス配信も利用させていただいています。
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