伊藤あおいクレー4連敗


2度のマッチポイント生かせず
世界102位の伊藤あおい(21歳)が6月17日、W75ザグレブレディースオープン1回戦に臨み、元世界69位で現世界332位のダリア・ジャクポビック(34歳=スロベニア)に2時間42分の激戦の末、敗れた。スコアは6-4,4-6,6-7(7)。
ファイナルタイブレークでは2度のマッチポイントがあったが、モノにできず。
最後はダブルフォルトでゲームセットとなった。
伊藤は今シーズン4試合目となったクレーコートの戦いで、またも敗れ、これで4連敗。
4月25日の安藤証券オープン準々決勝で勝利して以来、続いている自身の連敗も6に伸びた。
前日16日には繰り上げで、ウィンブルドン本戦インが決まったばかり。うれしい報告を受けた直後に、久々の勝利を手にすることはできなかった。

ワースト連敗より気になるサーブ
プロ入り後、自身最長の連敗は2022年11月から2023年1月にかけての5連敗。
6連敗は自己ワーストとなった。
タイブレークも1月のキャンベラ国際準々決勝で1つモノにして以降、今季6連敗。
気になる数字はあるが、所詮勝負のアヤだ。
それ以上に、本人も気にしているのは、サーブの不調だろう。
この日のタイブレーク7‐8では、入っていればエースの微妙なファーストサーブをフォルトと判定された後、セカンドサーブをネットに嫌われ、無念のダブルフォルト。
最終セット、2-5ダウンから盛り返したが、このセット4つのダブルフォルトは最後まで尾を引いた。第2セットで最初にブレークを許したのも、連続ダブルフォルトが原因だった。
伊藤あおいサービススタッツ | |
エース | 2 |
ダブルフォルト | 7 |
1st確率 | 61.6% |
1st PW | 60.9% |
2nd PW | 34.9% |
BPセーブ率 | 53.3% |
PW=ポイントウォン、BP=ブレークポイント |
サービスゲームを16ゲーム戦い、キープは半分の8ゲーム。
リターンゲームで8ゲームをブレークしながら、競り負ける最大の要因となった。
過去3試合と同じ傾向
この試合前の3試合も傾向は同じだった。
WTA125 クラランス・トロフィー、グランドスラム全仏オープン、WTA125 BBVAオープン バレンシアと、クレーコート3連敗。
リターンゲームでは赤土仕様の積極性が「吉」と出ていたが、逆にサービスゲームでは早い勝負への転換を目指すあまり、うまくキープできない状況が続いていた。
「クレーは1勝したら奇跡です」とまで言った、自信のなさが反映していたのか。
今シーズンの同じWTA、WTA125レベルの試合内でハードコートとクレーコートの成績を比較すると、明らかにサービススタッツが悪化していた。
2025年 伊藤サーフェス別 成績比較 | ||
ハード18戦 | 内容 | クレー過去3戦 |
.667(12勝6敗) | 勝敗 | .000↘️(0勝3敗) |
68.1% | 1st確率 | 62.9%↘️ |
60.6% | 1st PW | 51.8%↘️ |
49.9% | 2nd PW | 34.1%↘️ |
1戦平均3.1本 | ダブルフォルト | 1戦平均6.7本↘️ |
61.4% | BPセーブ率 | 25.0%↘️ |
WTA、WTA125レベル |
ファーストサービスインの確率は、68.1%から62.9%へ低下。
ファーストサービスイン時のポイントウォン確率は60%台が50%台に。セカンドサービス時のポイントウォン確率に至っては49.9%が34.1%と、15%以上も数字を落としていた。
ダブルフォルトは1試合平均3.1本が6.7本と倍増。
61.4%と高いはずのブレークポイントのセーブ率は逆に25.0%(7/28)。
過去クレー3戦サービスゲーム37ゲームを戦い、キープはわずか16ゲーム。
今回はITFレベルの大会とはいえ、ファーストイン確率、ダブルフォルトの数を始め、相手に関係ない部分の数字も改善できなかった。通常より、かなりイレギュラーが多い、乾燥しきったコートでの戦い。集中力を欠く要素は多分にあったが、やはり気になるところだ。
ウィンブルドンで連敗脱出だ
ダブルスは残すが、次の試合は、初のグランドスラム本戦となる芝のウィンブルドン。
シングルス未勝利でクレーコートシーズンを終えたが、今度はスライス系が滑るサーフェスなだけに、気分も、思い切りも、ガラリと変わる可能性は十分ある。
グラスコートへの対応は簡単ではないだろうが、本人が最も出場してみたいと語っていた憧れの聖地だ。
いざグランドスラム初勝利へ。
繰り上がりで予選免除となったことによって生まれた1週間の調整期間を生かして、春先のサーブを取り戻せば、勝機は十分ある。
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