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伊藤あおいの試合予定と結果は

フルセットのあおい また勝利

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世界110位の伊藤あおい(21歳)が8月5日、WTA1000シンシナティ・オープンの予選1回戦に臨み、世界354位のアレクサンドラ・クルニッチ(32歳=セルビア)を倒し、予選2回戦へ駒を進めた。スコアは4-6,6-4,6-2。フルセット2時間2分の大激戦だった。

先週のナショナルバンク・オープンで、ベスト32入りの快進撃を見せた勢いは健在。

これでWTA1000では、6大会の予選に出場して、すべて予選1回戦突破。

WTA1000予選で見れば9勝1敗、勝率9割。

グランドスラムに次ぐレベルの高いカテゴリーで、見事な結果を残し続けている。

WTA1000 カタール・トータルエナジー・オープン 2月10日~2月16日
回戦対戦相手Rスコア
予選1回戦⚪️A・ボンダール[16]944-6,6-3,6-3
予選2回戦⚪️V・グラチェワ[8]706-2,6-4
1回戦⚫️J・オスタペンコ372-6,1-6
WTA1000 ドバイ・デュティーフリー選手権 2月16日~2月22日
回戦対戦相手Rスコア
予選1回戦⚪️T・タウンゼント[15]836-3,6-4
予選2回戦⚪️A・クルーガー[1]407-5,6-2
1回戦⚫️B・ベンチッチ650-6,2-6
WTA1000 BNPパリバ・オープン 3月3日~3月16日
回戦対戦相手Rスコア
予選1回戦⚪️D・スニガー1276-4,1-6,4-6
予選2回戦⚫️M・イングリス1346-7(4),5-7
WTA1000 マイアミ・オープン 3月17日~3月30日
回戦対戦相手Rスコア
予選1回戦⚪️K・エフレモア7436-2,6-3
予選2回戦⚪️E・リス[5]784-6,6-4,6-2
1回戦⚫️L・デイビス2294-6,6-3,4-6
WTA1000 ナショナルバンク・オープン 7月27日~8月7日
回戦対戦相手Rスコア
予選⚪️A・サスノビッチ1256-4,5-7,6-0
1回戦⚪️K・ヴォリネッツ1086-2,2-6,6-2
2回戦⚪️J・パオリーニ92-6,7-5,7-6(5)
3回戦⚫️J・B・マネイロ516-4,5-7,3-6
WTA1000 ナショナルバンク・オープン 8月7日~8月18日
回戦対戦相手Rスコア
予選1回戦⚪️A・クルニッチ3544-6,6-4,6-2
予選2回戦D・ガルフィ[12]102

試合は非常に引き締まったハイレベルな戦いだった。

第1セットはクルニッチが2ブレーク、伊藤が1ブレークでクルニッチに6-4で軍配。

第2セットは伊藤が2ブレーク、クルニッチが1ブレークで6-4で伊藤に軍配、という展開。

4-4で迎えた第2セット第9ゲーム、伊藤のサービスゲーム。40-0から3本奪われ、デュースに持ち込まれる。だが、ムーンボールを駆使して相手のミスを誘い、最後はスマッシュウィナーと連続ポイントでキープ成功。

5-4の第10ゲーム、クルニッチのサービス。逆に相手有利の40-15から4連続ポイントで、デュースの末に、ブレーク成功。

粘りで相手のミスを誘い出し、もぎとったセットだった。

この山場を乗り切ると、ファイナルセット序盤から伊藤のペースになった。

緩いスライス、ムーンボール、時折見せる見事なパッシングショットで完全に相手のリズムを崩した。

大事な局面はネットに出て勝負した。

第1ゲームはキープ、第2ゲームはブレーク、第3ゲームもキープと、3ゲームを連取。

第2セット終盤2ゲームと合わせ、5ゲーム連取だった。

スキあらばネットを取ってくる相手と、その攻防を楽しんでいるかのような雰囲気すらあった。

伊藤が見事なドロップショットでおびき出し、抜いたロブを相手が股抜きで返すと、バックのドライブボレーでトドメ。

フォアスライス、高いムーンボールを駆使した27本のロングラリー。最後は相手のバックダウンザラインでウィナー。疲労のあまり、お互いがひざまずいた。

スコアは開いていたが、見ごたえのあるハイレベルな攻防は続いた。

4-2の第7ゲーム、自らのサービスゲームは15-40のピンチ。ここをワイドサービスエースと、ファアクロスウィナーでしのいで勝負あり。

続く第8ゲームをブレークし、このセット6-2。勝利を手にした。

両者のトータルポイント推移
伊藤クルニッチ
29第1S38
35第2S29
35第3S27
99マッチ94

トータルポイントはわずか5ポイント差の接戦だった。

今回の相手、クルニッチも、キャリアハイ世界39位の難敵だった。

WTAツアー通算400勝超えのキャリアを誇る。2017年9月、ジャパン女子オープンでは2度目の引退を表明していた伊達公子に6-0,6-0で勝ったこともある。その際は、ゲームセット直後、深々と頭を下げて伊達に敬意を表し、セレモニーでは「勝ってしまってごめんなさい」と、涙した、日本のファンにも思い出深い選手だ。

ダブルスでも現40位で、6月の全仏オープンのファイナリスト。

ボレーはもちろん、スピンサーブ、バックのスライスもかなりの威力と精度だった。

だが、WTA1000で進撃を続けた伊藤は、もはや、このトップレベルのパワーにすら、押し込まれるような姿はなく、きっちりと対応していた。

サービスエースも相手の2本を上回る6本。

大事なポイントでラインギリギリをつく持ち味のサービスも完全に復活気配だ。

このタフなベテラン相手に

中盤以降、キッチリと振り切っての逆転勝ちは、素晴らしいとしか言いようがない。

▶「alexkrunic」インスタグラムより

これで前大会のナショナルバンク・オープンの予選から、フルセットマッチが5試合連続で続いている。

世界9位、ジャスミン・パオリーニ(29歳=イタリア)からの金星を含め、4勝1敗。

試合トータル時間は5試合で10時間35分。

1戦平均2時間超え。

伊藤の体力、疲労面への懸念がよく持ち出されるが、戦略性に満ちた、この集中力は、なかなか真似できるものではない。

WTA1000に限ればフルセット勝率は7勝2敗の.778。

「逆転のあおい」「接戦のあおい」「フルセットのあおい」の代名詞が似合う、見事な戦いぶりだ。

次戦の予選2回戦の相手は、1回戦で日比野菜緒を破った世界102位のダルマ・ガルフィ(26歳=ハンガリー)に決まった。

両者初の顔合わせ。

伊藤は予選第17シード、ガルフィは予選第12シード。自身より上位ランカーとの対決になる。

2015年の全米オープンジュニア覇者で、キャリアハイは2022年9月の79位。2025年のウィンブルドンでのベスト32を含め、2023年ウィンブルドン、2022年全米オープンと

3度も、グランドスラム3回戦進出経験がある。

今シーズンは4月から5月にかけて、いずれもクレーのWTA125大会で

出場3大会連続で決勝に進出、2度優勝という好成績。

再びランキングを上昇させている選手だ。

またもタフな相手だが、ここも勝利できれば、WTA1000出場6大会中5大会予選突破の、まさに「快挙」。

控える全米オープンに、さらに大きな弾みがつくのは間違いない。

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テニスうどん
テニスうどん
駆け出しブロガー
スポーツ紙勤務30年で退職した元野球記者、データコラムニスト
大学時代は関西1部リーグ庭球部所属もボーラー、ベンチコーチの方が多かった
数字でテニスを深堀り!時々ただの観戦記。わかりやすくテニスの魅力が伝わればと
ATP、WTAの公式データを参考にさせていただいています。
WOWOW、U-NEXT、ATP、WTAの配信も利用させていただいています。
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