望月 チリッチに敗れ準優勝


125カテゴリーで立派な準優勝
世界ランク164位の望月慎太郎(22歳)が6月21日、チャレンジャー125のレクサス・ノッティンガム・オープン決勝(イギリス)に臨み、惜しくも準優勝に終わった。
現在世界101位ながら元世界3位の強敵、マリン・チリッチ(36歳)に2-6,3-6で敗れた。
望月と14歳差、幾度もモニター越しに見てきただろう、チリッチは、やはり強かった。凄まじいサービスゲームの安定感の前に屈した。
それでも望月は、今年に入って2度目のチャレンジャーファイナリストとなった。
カテゴリーは最高クラス125。賞金、ポイントは高い分、それだけ出場者のレベルも高くなる。過去2度の優勝は75、100。決勝進出した2大会は連続で敗れ、チャレンジャー3度目の優勝は逃したものの、確実にステップアップしている。
1つ前の大会のイルクリー・オープンの準決勝進出に続いての、グラスコートで見せた快進撃だった。

決勝まで失セット0
今大会1回戦から準決勝まで4試合勝ち上がった際の失セット数は0。
それもそのはず、
サービスゲーム34ゲーム戦い、落としたのはわずか4ゲームだけだった。
準々決勝、準決勝に限っては1度もブレークを許さなかった。
準々決勝以降、この日の決勝第1セット第6ゲームでブレークされるまで、17ゲーム連続サービスキープをして見せた。
高い1stポイント獲得率
グラスコートの適性は、やはり相当なものだ。
前回大会のイルクリー・オープン1回戦から今大会決勝までの全9試合を見ても、
ファーストサービスイン時のポイント獲得率が非常に高い。
望月の直近芝9試合 サービススタッツ | ||||
月日 | R | 1st PW | Sキープ率 | |
イルクリー・オープン | ||||
6/11 | 1回戦 | ⚪️ | 78% (35/45) | 77% (10/13) |
6/12 | 2回戦 | ⚪️ | 78% (50/64) | 94% (15/16) |
6/13 | 準々決勝 | ⚪️ | 61% (19/31) | 78% (7/9) |
6/14 | 準決勝 | ⚫️ | 62% (24/39) | 82% (9/11) |
ノッティンガム・オープン | ||||
6/16 | 1回戦 | ⚪️ | 74% (29/39) | 91% (10/11) |
6/18 | 2回戦 | ⚪️ | 71% (20/28) | 63% (5/8) |
6/19 | 準々決勝 | ⚪️ | 85% (23/27) | 100% (7/7) |
6/20 | 準決勝 | ⚪️ | 80% (24/30) | 100% (8/8) |
6/21 | 決勝 | ⚫️ | 68% (19/28) | 63% (5/8) |
通算 | 7勝2敗 | 73% (243/331) | 84% (76/91) | |
1st PW=ファーストイン時のポイントウォン |
今シーズン全サーフェス平均でファーストサービスポイントウォンを見ると、
57%と6割にも及ばない。
それが、芝のこの9試合は、敗れた2試合を入れても73%。
16%も高くなれば、サービスキープ率はそれだけ上がる。
91のサービスゲームでキープは76ゲーム。見事な84%。
参考までに過去男子日本出身選手の中で、芝のATPキャリアスタッツで、ファーストサービスポイントウォンが最も高かったのは、
松岡修造の77.52%(世界歴代65位)。
それと比べても望月の数字は遜色ない。
望月のポイント獲得率が、いかに素晴らしかったか、いかにサービスゲームが安定していたかが、分かるのではないか。
多くのテクニックを駆使して
身長175センチ、決してビッグサーバーとは言えない望月。サービスの配球、3球目攻撃、巧みなボレー、頭脳的な戦術など、トータルで積み上げてきたスキルに裏打ちされている。
その努力の積み重ねには頭が下がる。
ちなみに典型的なビッグサーバー、チリッチの今大会の同数字は89、88、82、83%。そして望月との決勝が85%(22/26)。
フルカチュ、フリッツらATPの同スタッツ、ベスト5とほぼ同等値。
チリッチの数字はまさに驚異的で、相手が悪かった。
おそらくATPレベルでも十分トーナメント終盤まで勝ち上がっていく、サービスだったと断言しておく。
いざウィンブルドン予選へ
望月は6月23日から始まるウィンブルドン予選に臨む。
芝の準備は整った。
予選1回戦の相手は今大会1回戦でストレート勝利した世界126位、ピエール=ユーグ・エルベール(34歳=フランス)に決まった。
今回の準優勝で確固たる手応えをつかんだであろう、望月はどこまで進めるのか?
今シーズンは全豪、全仏オープンとも予選1回戦敗戦。
2023年ウィンブルドン、2024年全豪、全仏オープンでは本戦1回戦に進んでいるが、いずれも敗れている。
ジュニア制覇から6年
2019年7月14日、日本選手として初となるジュニア男子の四大大会タイトルを獲得したウィンブルドンジュニアから丸6年。
翌日15日にはジュニアランク世界1位に躍り出た。その際のジュニア2位は現世界9位、ホルガ・ルーネ(22歳=デンマーク)、同3位は現7位、ロレンツォ・ムゼッティ(23歳=イタリア)。
2017年8月のジュニア・ファイナルズでは現世界2位、カルロス・アルカラス(22歳=スペイン)に6-2,6-3で圧勝したこともある。
ただの才能だけではない。自分を信じて一歩一歩、地道に登ってきた道のりだ。
予選を勝ち上がり、まずはグランドスラム1勝を目指す戦いへ、今シーズン最初の集大成を見せる時が来た。
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