綿貫&柚木組デ杯初白星も日本惜敗

日本はワールドグループへ
男子テニスの国別対抗戦デビスカップ予選1回戦「日本対オーストラリア」の第2日が2月7日、東京・有明で行われた。
前日の第1日を1勝1敗。そしてこの日、第3試合のダブルスを綿貫陽介(27歳)&柚木武(27歳)組が劇的勝利を挙げて、日本が2勝1敗と王手をかけた。
第4試合で、世界108位の日本のエース、望月慎太郎(22歳)が、直前でメンバー変更された世界223位のルーカス・ノイマイヤー(23歳)との一戦に臨んだが敗戦。
2勝2敗となった第5試合で、日本は当初予定の綿貫に変えて世界131位の西岡良仁(30歳)を投入。しかし、世界170位のユリイ・ロディオノフ(26歳)に7-5,1-6,0-6で敗れ、日本の敗退が決まった。
| デビスカップ 日本対オーストリア 第1日 | ||||
| 綿貫陽介⚪️ | 166 | vs | S・オフナー⚫️ | 135 |
| 6-3,6-4 | ||||
| 望月慎太郎⚫️ | 108 | vs | J・ロディオノフ⚪️ | 170 |
| 4-6,5-7 | ||||
| デビスカップ 日本対オーストリア 第2日 | ||||
| 綿貫陽介 | 892 | vs | L・ミードラー | 23 |
| 柚木武⚪️ | 95 | A・エルラー⚫️ | 38 | |
| 7-6(4),6-7(8),6-4 | ||||
| 望月慎太郎⚫️ | 108 | vs | R・ノーマイヤー⚪️ | 223 |
| 3-6,3-6 | ||||
| 西岡良仁⚫️ | 131 | vs | J・ロディオノフ⚪️ | 170 |
| 7-5,1-6,0-6 | ||||
| 3勝2敗でオーストリアの勝利、※選手名後ろの数字は世界ランク | ||||
大きかったダブルス勝利
日本の流れを作ったのは、ダブルスだった。
オーストリアのダブルスは世界23位と38位のコンビ。デビスカップ戦績は過去6勝2敗の実績を誇る完全なる格上。
対する綿貫&柚木組は過去0勝2敗。勝機は薄いかに見えたが、凄まじい集中力を見せた。
オールキープで進んだ第1セットのタイブレークをモノにした。
第2セット 嫌な流れから
第2セットも6-5リード。
リターンゲームで15-40と、日本は2つのマッチポイントを手にするが、取り切れなかった。
もつれ込んだタイブレークも5-3リード、マッチポイントもあったが、逆転を許して1セットオールに。
ファイナルセットも第3ゲームで先にブレークしたが、すぐにブレークバックされる。
嫌な流れに見えた。
それでも3-3で2度目のブレークに成功。その後もキープを続け、最後は6度目のマッチポイントで勝利を決めた。

綿貫の冴えまくったサーブとリターン。そして柚木のサーブと過去のデ杯では見せきれていなかった積極性は、最後まで衰えなかった。
綿貫&柚木組の奪ったエースの数は実に21本。
オーストリア組の4本の5倍以上だった。
苦悩の望月を救いたい
試合後、綿貫は感極まった。
オンコートインタビューで、その涙の理由を明かした。
「昨日の試合、(望月)慎太郎が苦しみながらプレーをして。昨日の夜に、どうしても今日のシングルスでリベンジがしたいと。先輩として、いい形でつなげてあげたいと思ってプレーをしていました」
デビスカップのシングルス4連敗中だった望月は、オーストリア戦の第1日の第2試合ロディオノフ戦も敗れ5連敗。
「正直なことをいうと、本当にどうしたらいいか分からないです」
今シーズンまだ未勝利も相まって、苦悩の感情を吐露していた。
望月を少しでも楽にプレーさせてあげたい。
そんなチーム一丸の思いがダブルスで金星を掴み取る原動力となった。
望月は歴代最長 デ杯シングルス6連敗
望月は、決死の思いで続くノイマイヤー戦に挑んだ。
だが勝負の世界は時に残酷だ。
1セットダウンの第2セット1-4から粘りを見せたものの、ストレート負け。
望月は、ついにデビスカップシングルス6連敗となった。
| 望月 過去のデビスカップシ ングルス成績 | |||
| 2022年9月 ウズベキスタン戦・タシケント | |||
| S. フォミン | 363 | ⚫️ | 6-7(3),6-7(2) |
| 2023年9月 イスラエル戦・テルアビブ | |||
| D・クキエルマン | 372 | ⚫️ | 6-1,6-7(5),2-6 |
| Y・オリエル | 470 | ⚫️ | 6-2,5-7,0-6 |
| 2025年9月 ドイツ戦・東京有明 | |||
| Y・ハンフマン | 135 | ⚫️ | 3-6,3-6 |
| 2026年2月 オーストリア戦・東京有明 | |||
| J・ロディオノフ | 170 | ⚫️ | 4-6,5-7 |
| R・ノーマイヤー | 223 | ⚫️ | 3-6,3-6 |
デビスカップの歴代日本代表のシングルスで最長の連敗記録は「6」だったが、これに並んだ。
デビュー戦から初勝利まで要した試合数が最も多かったのは、過去、ダニエル太郎と山本育史の4試合(3連敗後に1勝)だったが、これも超えた。
| デビスカップ歴代日本代表 シングルス連敗記録 | ||
| 順 | 選手名 | 試合数 |
| ① | 望月 慎太郎 | 6 |
| ① | 白石 正三 | 6 |
| ① | 石黒 修 | 6 |
| ④ | 清水善造 | 5 |
望月は「申し訳ない気持ちでいっぱいです」と、チームへの謝罪を繰り返した。
歴代の日本代表の中でも、最も苦悩する時間が長い選手ということになった。
西岡の闘志 錦織支え
敗戦後、望月は懸命にコートサイドで声援を送った。
その姿に応えるように、最終マッチでは、左臀部と股関節の故障明けの西岡が必死に戦った。
だが、右脚にけいれんも起こし、メディカルタイムアウトをとったファイナルセットは、とてもまともに戦える状況ではなかった。
それでも最後まで棄権を選ばず、コートに立ち続けた。
同じく日本のベンチサイドは、必死に周囲を鼓舞する錦織圭(36歳)の姿が見られた。
西岡と、ともに個人の復調に専念してもおかしくない状況。
それでも招集に応じた最大の要因は、遅かれ早かれやってくる「世代交代」をスムーズに果たすための「使命感」にほかならない。
望月をこれ以上、悩まさないために。
国の威信をかけた、この苦しくも素晴らしい場所に、もう1度立ちたいと思えるように。
敗退した日本は9月に予定されるWorld Group I(ワールドグループI)に回る。
仲間たちの思いは、きっと望月を、もう1度奮い立たせる力となると信じたい。




