ハラ・フレンド CH4強ならず


初勝利から2連勝
世界874位のジェイ・ディラン・ハラ・フレンド(21歳=Jay Dylan Friend=ハラはミドルネーム)が、8月29日、チャレンジャー75のラファ・ナダル・オープン準々決勝に臨み、世界ランク249位のエダス・ブトヴィラス(21歳=リトアニア)に2-6,4-6で敗れた。
日本出身で現在、アリゾナ大学4年生。世界ランク800位台の選手がチャレンジャー3大会目の出場で、ベスト8に進出する活躍を見せたが、惜しくもベスト4進出はならなかった。

今大会1回戦で6-0,6-0という衝撃のスコアでチャレンジャー初勝利を挙げたばかりだが、
そのまま準々決勝進出を決める2連勝。
その勢いに、スペインからも驚きの声があがるなど、注目されていた。
▶「Rafa Nadal Academy by Movistar」公式Xより
2回戦突破「この大会まで0勝だったのに2勝」と驚くコメント
意地見せるブレーク
この日は相手のサービスの出来が素晴らしかった。
ブトヴィラスはリトアニア出身の21歳で、今シーズンは3月のヘルソニソスで自身2度目のチャレンジャー優勝と遂げた強者。
ファーストサービスウォンは79%(23/29)と、完全に主導権を握られた。
第1セットはブレークポイントすら奪えなかったフレンド。第2セットも第5ゲームを先に落とし、2-3で相手サービースゲームを迎えた。
このまま完敗かと思われたが、フレンドは意地を見せた。

第6ゲーム15-30。相手ファーストサーブをドンピシャでとらえたフレンドのバックは、クロスのショートコーナーに突き刺さるスーパーリターンエース。
15-40からは、力勝負のラリー戦、フォアのダウン・ザ・ラインで追い込んだ後、8本目のフォアクロスでウィナーを奪った。
「カモン!」。雄叫びを上げ、大きな拍手を浴びるブレークバック成功。
簡単には諦めないメンタルの強さ、精度の高いフォア。ポテンシャルの高さを見せつけた。
過去2大会優勝者に敗れ
7月、チャレンジャーデビュー戦の相手は、世界元45位のヤニック・ハンフマン(33歳=ドイツ)。強烈なサーブの前にストレート敗退。
8月の2大会目も、いきなり第1シードのモエズ・エシャルギ(32歳=チュニジア)と激突し、フルセット敗退。
7/29 ドイツ/ハーゲン チャレンジャー 75 (クレー) | ||||
回戦 | 対戦相手 | R | スコア | |
1回戦 | ⚫️ | Y・ハンフマン | 150 | 5-7,2-6 |
8/18 ギリシア/ヘルソニソス 4 チャレンジャー 50 (ハード) | ||||
回戦 | 対戦相手 | R | スコア | |
1回戦 | ⚫️ | M・エシャルギ | 191 | 6-4,2-6,4-6 |
結果だけ見れば、2大会連続1回戦負け。
だが、実はハンフマン、エシャルギとも、そのまま優勝へと駆け上がった。
次のレベルへ挑戦し始めたフレンドにとっては、この日を含め、いずれも相手が悪かった。
8/26-29 スペイン/マナコル ラファ・ナダルオープンチャレンジャー75(ハード) | ||||
回戦 | 対戦相手 | R | スコア | |
1回戦 | ⚪️ | F・チナ | 210 | 6-0,6-0 |
2回戦 | ⚪️ | V・ヴァシュロ | 216 | 6-7(4),6-3,6-4 |
準々決勝 | ⚫️ | E・ブトヴィラス | 249 | 2-6,4-6 |
だだ、もうすでに200位台の選手と互角以上に渡り合える力があることだけは確かだ。
何よりこの3試合で勝利以上に大きな経験を得た。
日本にもう1人 期待の新星
フレンドは歩む道こそ違え、望月慎太郎と同じ2003年生まれ。
その望月は全米オープン2回戦でこの日、世界ランク8位で、昨年ベスト8のアレックス・デミノー(26歳=オーストラリア)に敗れた。
グランドスラムでの1勝で、現在112位の世界ランクは、近く100位間近にまで上昇する。
2006年生まれ、19歳の坂本怜は180位台でキャリアハイを更新する見込みだ。
現在90位の錦織圭がこれ以上ランキングを落とせば、日本選手がトップ100から消える事態になり得る。
フレンドの目標とする選手は、その錦織だ。
ライブランキングを見ると、
今回のチャレンジャー2勝で、
フレンドは138位も順位を上げて736位にまで浮上する。
日本の男子テニス界を救ってくれるかもしれない、非常に楽しみな選手が表れた。
フレンドのプロフィール | |
選手名 | フレンド・ジェイディラン・ハラ (Jay Dylan Friend) |
生年月日 | 2003年12月22日 東京生まれ 21歳 |
両親 | 父はニュージーランド、母は日本出身で元ジュニア有名選手 |
世界規模 | 家族は世界各地に暮らしており、直近ではシンガポール、現在はバルセロナに住んでいる |
大学 | 2022年秋からアリゾナ大に進学 |
学内成績 | 現在大学4年生でキャプテン、2024ー2025年シーズンはチーム最多のシングルス34勝 |
全米受賞 | 2025年6月には、全米から学業とスポーツ両方に秀でた人物に与えられる「CSC Academic All-America® First Team」に選出。同大男子テニス部初の快挙 |
頭脳明晰 | 頭脳明晰、経営学専攻でGPA3.80 |
人格者 | メキシコの名選手にちなみリーダーシップ、人格ある人物に与えられる「ITAラファエル・オスナ・スポーツマンシップ賞」も受賞 |
日本代表 | 2025年7月、夏季ユニバ(FISUワールドユニバーシティゲームズ)日本代表。シングルス、ミックス、男子団体の3冠を達成 |
CH挑戦 | 2025~2026年のATP Next Gen Acceleratorプログラム(大学に在籍したま、プロのチャレンジャーなどに優先的に出場できる資格)で出場権を獲得済み |
複で優勝 | 2025年7月、M15 アムステルフェーンでダブルス優勝、これが国際プロ大会での初タイトル |
スタイル | 右利き、両手バック |
目標 | 錦織圭で「史上最高の日本人テニス選手の1人」 |