ハラ・フレンド CH初優勝王手


1時間21分ストレート
ハラ・フレンドがチャレンジャー初優勝に王手をかけた。
世界743位のジェイ・ディラン・ハラ・フレンド(21歳=Jay Dylan Friend=ハラはミドルネーム)が、10月11日、ソラノチャレンジャー準決勝(チャレンジャー50=アメリカ・フェアフィールド)に臨み、世界ランク294位のギャレット・ジョンズ(24歳=アメリカ)を6-3,6-3で退けた。試合時間1時間21分。
チャレンジャー挑戦4大会目で初の決勝にまで上り詰めた。
7/29 ドイツ/ハーゲン チャレンジャー 75 (クレー) | ||||
回戦 | 対戦相手 | R | スコア | |
1回戦 | ⚫️ | Y・ハンフマン | 150 | 5-7,2-6 |
8/18 ギリシア/ヘルソニソス 4 チャレンジャー 50 (ハード) | ||||
回戦 | 対戦相手 | R | スコア | |
1回戦 | ⚫️ | M・エシャルギ | 191 | 6-4,2-6,4-6 |
8/26-29 スペイン/マナコル ラファ・ナダルオープンチャレンジャー75(ハード) | ||||
回戦 | 対戦相手 | R | スコア | |
1回戦 | ⚪️ | F・チナ | 210 | 6-0,6-0 |
2回戦 | ⚪️ | V・ヴァシュロ | 216 | 6-7(4),6-3,6-4 |
準々決勝 | ⚫️ | E・ブトヴィラス | 249 | 2-6,4-6 |
10/6-11 アメリカ/フェアフィールド ソラノチャレンジャー50(ハード) | ||||
回戦 | 対戦相手 | R | スコア | |
予選1回戦 | ⚪️ | FLヴァシウティンスキ | 836 | 6-4,6-1 |
予選2回戦 | ⚪️ | S・ジョンソン | 962 | 6-3,4-6,6-4 |
1回戦 | ⚪️ | A・シャー | 394 | 6-2,3-6,6-2 |
2回戦 | ⚪️ | M・ムモ | 321 | 6-2,7-6(4) |
準々決勝 | ⚪️ | D・ミラフスキー | 358 | 7-6(5),6-0 |
準決勝 | ⚪️ | G・ジョンズ | 294 | 6-3,6-3 |
決勝 | ⚪️ | E・ウィンター | 536 | 6-7(3),6-3,6-2 |
強者の戦いぶり
完全に地力の強さを見せつけた。
第1セット2-2からの第5ゲームで先にブレーク。
続く第6ゲームでブレークバックを許したが、続く第7ゲームを再びブレーク成功。
バックのダウンザラインの鮮やかなパッシング、バックの強烈なリターン、強烈なフォア、最後は強烈なフォアのリターンという
完璧な内容でのラブゲームブレークだった。

第2セットも自らのサービスゲームは3ゲーム連続でデュースとなったが、オールキープ。
3度の相手ブレークポイントをすべてセーブして見せた。
4-3からの第8ゲームをブレークして、最後は第9ゲーム、ラブゲームキープで締めくくるという、典型的な強者の戦いぶりだった。
フォア強打からフォアドロップ
ブレークポイントセーブ率は83%(5/6)。
第2セット、ブレークポイントを背負ったピンチで見せたフレンドの3度のプレーを振り返ってみると、その強さのほどが引き立つ。
第1ゲーム0-0、30-40。強烈なワイドへのフラットサーブから3球目をクロスフォア。
完全に自分の形にしてから、今度はフワリとネット手前に落とす。
相手は追うことすらできないフォアドロップのウィナー。
9連続バック打たせ
第3ゲーム1-1、AD相手。この時間帯ファーストに苦しみ、セカンドサーブのピンチ。
相手の深いリターンを丁寧につなぎロングラリー。
相手にネットを取られるが、最後はフォアのダウンザラインへのパッシング。
ラリー数18本。この間、なんとすべて相手のバックに配球した。
バックボレーの後、今度こそフォア側クロスと読んだ相手を欺くストレート。
9連続バックを打たせた後、さらにバック側を抜くという、予想外のプレースメントだった。
鮮やかネットでの賭け
同じ第3ゲーム、デュースが続き再びAD相手。今度は入りの悪いファーストフラットを避ける。
意表を突くスピン気味のサーブを相手フォア側へ。そのままネットダッシュ。
バックのローボレーをさせられ、何とか中央に返球するだけの形となったが、相手のバックのダウンザラインを読み切り、さらにネット前へベタ詰め。
逆クロスに飛びつくようなフォアボレーを決めきった。
「策略家」と「勝負師」の両方の持ち味が、プレーの随所にあふれていた。
世界ランク184人抜き
予選から6連勝。いよいよチャレンジャー初優勝をかけての決勝に臨む。
相手は同じく予選上がりの世界536位のエドワード・ウィンター(21歳=オーストラリア)。
2022年の全豪オープン予選では17歳、当時世界1768位ながら、
元世界6位のジル・シモン(フランス)を破る大金星で名を馳せたこともある実力者だ。
だが、フレンドはそれに負けず劣らずのポテンシャルの大きさを、この6戦、存分にコート上で表現し続けている。
ライブ世界ランクは184人抜きの559位まで来た。
これは日本選手上から数えて24番目。あっという間の大躍進中だ。
フレンドのプロフィール | |
選手名 | フレンド・ジェイディラン・ハラ (Jay Dylan Friend) |
生年月日 | 2003年12月22日 東京生まれ 21歳 |
両親 | 父はニュージーランド、母は日本出身で元ジュニア有名選手 |
世界規模 | 家族は世界各地に暮らしており、直近ではシンガポール、現在はバルセロナに住んでいる |
大学 | 2022年秋からアリゾナ大に進学 |
学内成績 | 現在大学4年生でキャプテン、2024ー2025年シーズンはチーム最多のシングルス34勝 |
全米受賞 | 2025年6月には、全米から学業とスポーツ両方に秀でた人物に与えられる「CSC Academic All-America® First Team」に選出。同大男子テニス部初の快挙 |
頭脳明晰 | 頭脳明晰、経営学専攻でGPA3.80 |
人格者 | メキシコの名選手にちなみリーダーシップ、人格ある人物に与えられる「ITAラファエル・オスナ・スポーツマンシップ賞」も受賞 |
日本代表 | 2025年7月、夏季ユニバ(FISUワールドユニバーシティゲームズ)日本代表。シングルス、ミックス、男子団体の3冠を達成 |
CH挑戦 | 2025~2026年のATP Next Gen Acceleratorプログラム(大学に在籍したま、プロのチャレンジャーなどに優先的に出場できる資格)で出場権を獲得済み |
複で優勝 | 2025年7月、M15 アムステルフェーンでダブルス優勝、これが国際プロ大会での初タイトル |
大学 タイトル | 2025年9月、ITAオールアメリカン選手権のタイトルを獲得 |
スタイル | 右利き、両手バック |
目標 | 錦織圭で「史上最高の日本人テニス選手の1人」 |



