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伊藤あおいの試合予定と結果は
データで深堀り

伊藤あおいの凄さオンコート編

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世間の注目度がバク上がりした日本女子テニス期待の伊藤あおい。ひとたびコートに立てば、フォアスラ、ムーンボールだけではない、普通の選手とはちょっと違った魅力がある。

その愛される一面は、画面越しでしか、そのプレーを見たことがないファンにはなかなか分からない。

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ランキング形式の第2弾は、テクニック以外にコート上で見せる「素」の部分をピックアップする。

テニスうどん
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ベスト10の第2弾はオンコート編

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テニスはあくまでテニスの姿勢

細かいこと、自分にはどうしようもないことは気にしない。

「繊細」なプレーをする一方で

「鈍感」に見せたメンタルの強さが大きな武器だ。

コートイン前の特別なアップは一切なしというのは有名な話。

通常、ニューボールの際は新品のラケット、ガットに交換するプレーヤーも多いが、伊藤は試合中にラケットをほぼ変えない。

ホントかウソか「筋トレするぐらいなら引退を選ぶ」という。プロ野球の新庄剛志が現役時代、下半身強化を勧められると「ジーパンが似合わなくなるので鍛えません」と言った話に通じるところがある。

テニスはあくまでテニス、という伊藤のスタンスを表した言葉だ。

コートに入る直前まで、タブレットでお絵描きに没頭していることも。

イヤホンをしながら音楽を聞いて自然体でコートインする。

試合中には脳内にVTuberのhololive(ホロライブ)の曲が流れていることすらあるという。

国内オムニコートで、転倒して頭を打って棄権した際も、コートへの恨み節は一切なかった。

「風には弱い」と公言しつつ、相手よりは全然、上のプレーをして見せる。

テニスうどん
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小さなガッツポーズと忘れぬ笑顔

ファンにして見れば、もっと上位かもしれないが、テニスにはあまり関係ないので9位にしておく。

自分でも驚くようなナイスショットが決まれば、満面の笑み。

相手に見られないように後ろを向いて、小さな拳を握り、ピョンピョンと小躍りする。

素晴らしい勝利で観衆に拍手されると、スター選手のように頭の上で大きく手を合わせるポーズを見せるのではなく、まるで自分も観客の1人であるかのように一緒になって音のなる拍手をしていた。

コート上でよくコケるが、その際も周りを心配させないようにか、デヘヘと言わんばかりに照れ笑い。

最近はなくなったスマッシュ空振りというシーンでも照れ笑いと、どこまでも「愛されキャラ」だ。

キュートなスマイルは、海外のファンも虜にし始めたと見られ、シンシナティ・オープンでは男性ファンが立ち上がって「ITO!」の大合唱。これには試合終盤、緊迫しているはずの伊藤も笑顔を見せていた。

テニスうどん
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意外に簡単には諦めない粘り

全面に闘志を出すことはないが、劣勢に立っても、常に粘り強く勝機、逆転のチャンスを見出そうとしている。

モチベーションは「賞金」とあっけらかんと笑いつつ、

「勝ち気」に走りすぎない、そのバランス加減が絶妙にいい。

曲がらぬ膝とは裏腹に、取れるボールは追いかける「頑張り屋」。

一方で、無理なボールは全く追いかけない。

ウィナーを取られると自分の配球が悪かったとばかり、ラケットを空中で縦にクルクル回して次のポイントに集中する。

国内大会第1シードで初戦敗退すると、敗れたのにもかかわらず1人1人丁寧にサインをして「シードを守れずごめんなさい」と謝ったことも。

内心は「全力プレー」なのが、よく伝わってくるエピソードだ。

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審判は「敵」にしない態度

際どいボールをアウトと判定されると、少し残念そうな顔をすることはあっても、決して審判に不平を言ったり、詰め寄るようなことはない。

さっと次のプレーに移行する。

ジャストアウトの際は、「ちょっとズレてたか」とばかり、ポイント間に、そのショットの素振りを始めるのが常。悪いのは、あくまで自分のタイミングのせいにする。

逆に自分のボールがラインギリギリに入っていたことを確認すると、

ホッとしたように満面の笑みを浮かべる。

国内でのセルフジャッジのクセが抜けないのか、相手のボールがアウトと見るや、自然と腕が「アウト」のポーズになっている。

決して審判へのアピールというようなものではなく、無意識に手が上がるのが、なんともかわいらしい。

海外で転倒した試合、審判が心配して英語を状態を聞くと「ダイジョウブです!」と日本語で返していたのは笑った。

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勝負度胸 勝負勘はピカイチ

相手のパワーを利用するテニスのせいか、

緊張感でプレーが硬くなるといったシーンはほぼない。

世界9位ジャスミン・パオリーニ(29歳=イタリア)から大金星を挙げた時も、マッチポイントでリターンからジャックナイフを繰り出す度胸を見せた。

かといって、ウィンブルドンのキレイな芝の前で、うれしそうに記念写真。大舞台にキッチリと喜んでいる側面もある。

ベンチでも平常心で小さな足踏みを踏んだり、目をつぶったりといった姿は見られない。ゆっくりとクーラーボックスから飲み物を取り出し飲み、汗を拭うのみ。

「自分の強さはメンタル」と言うだけあってやはり、強心臓ぶりはピカイチだ。

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決して相手を待たせません

テニスではポイントが終了してから次のポイントまで25秒。

伊藤のサービス時のテンポの速さは、半端ない。

10秒ほど余らせてモーションに入ってしまうこともしばしばだ。

大事なポイントでは間を取りたいものだろうが、伊藤の場合はそんな時こそ、逆に速い。

長い長いロングゲーム。ロングラリーの後、このポイントでほぼ試合が決まるという場面で、肩で息を切らせながらサーブを打った時には本当に驚いた。

相手に考えさせないためか、自分が自然の流れの中でプレーするクセが体内時計に刻まれているのか、分からないが、

とにかく次のポイントへの「せっかち」な間は必見モノだ。

かといって相手レシーバーが準備が間に合わず手を上げて待つことを促すと、ニッコリほほ笑んで相手のペースに合わせる。

エンドチェンジの90秒の使い方も同様。主審が「タイム!」とコールする前にベンチを立つ。

サーバーの時、レシーバーの時、どちらでも確実に、伊藤の方が、かなり先にコートで待つ状況になる。

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「カモン」はきっと生涯言いません

「カモン!」「レッツゴー!」など、テニスのプロでは定番の声を挙げることは絶対ない。

呼吸法にもつながる「ウ~ン」「ウォ~ン」といった類の唸り声もゼロだ。

逆に出るのは「何で!」「うそ~」「キャ~」「イヤ~」と言った、ツアープロではあまり聞かれない言葉。

そのほとんどが、チャンスボールをミスった際、まさかのダブルフォルトの際の

自然に出た悲鳴に近い自虐系ワードだ。

ガッツポーズも相手には分からないぐらいに控えめ。胸の前で小さく拳を握る程度だ。

そこには必ず笑みがついてくる。

「やっぱり応援してくれるとうれしいです、内心では『ドヤ顔』していたりするので」とは本人の言葉。

「『カモン』とか言わないタイプですが、内心は荒ぶっているので、拍手とかしてくれると、自己肯定感が出ます」。

この謙虚な姿勢がある限り、相手や外的要因に対する不満の声が漏れることはない。

当たり前だが、テニスによくあるラケットやボールに当たるシーンも皆無だ。

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どれだけ周りを見ているのかが分かる

ボールボーイ、ボールガールへの気配りの素晴らしさは、WTAツアーでも屈指だろう。

ボールボーイが後ろに落ちたボールに気づいていなかったら、笑顔で待ってあげる。サーブチェンジの際にボールを回すのを忘れていたら、自ら教えてあげたり、と。

必死にプレー中のプロとは思えぬ、自然体の振る舞いに、感心させられることもしばしばだ。

ある国内公式戦。自らがアドバンテージコートのTゾーンに打ったサービスは若干のフォルト。だが、バックフェンスに跳ねて、デュースサイド方向にまで転がっていってしまった。これを見た伊藤は「すいません」。練習中ならまだしも、大事な試合中に、である。

炎天下、日傘をかけてくれるボールボーイには「ありがとうございます」とペコリと頭を下げる。1度目はいいとして、2度目、3度目でもこの感謝の姿勢は続く。海外でも同じだ。

相手のサーブのフォルトや、レットのボールを、ボールボーイに、うまく返せないと、これまた謝る。

円滑な試合運営の影の立役者、ボーラーからの評判も、さぞや良いことだろう。

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お辞儀は日本の美徳です

会心の勝利をあげても、喜びもそこそこに、相手との試合後の握手に必ずすぐ向かう。

ショッキングな負けでも、その姿は変わらない。

「試合をしてくれてありがとうございます」とばかりに、

ペコリ、ペコリと頭を何度も下げる姿は、海外でも礼儀正しいと話題になった。

コートチェンジの際も、常に相手の移動しやすさを優先。ほぼ「お先にどうぞ」のパターン。

両選手が主審にお礼の握手に向かう際も、相手の動きに合わせる。

どう見ても相手に有利なコードボールになっても、手を上げて「ゴメンナサイ」ポーズをすることも、しばしば。

対戦相手も、これだけ謙虚に来られたら、叩きのめしてやろう、という気持ちも少しは萎えてしまうかもしれない。

自分のランキングがドンドン上昇しても、自分のダブルスのパートナーを立てる姿は変わらないまま。「勉強させてもらってます」とばかりに、こちらも深々とお辞儀する。

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誰もがファンになる「神対応」

一般的にファンが試合後のサインを求めるのは勝者のみ。敗者は時に断ってもいい、というのが「暗黙のルール」だが、伊藤の場合は、良い意味で、その「常識」を裏切る。

恐る恐る近づくファンに自ら歩み寄り

「私のサインなんて誰がいるの?」と言わんばかりに、低姿勢の笑顔でペンを走らせる。

自分がスマホを握ってツーショット写真を撮ってあげるなんてこともしばしば。

今後、サインを求めるファンが殺到したら、かわいそうなので、あくまで時間が許す限り、応じたいと思っているプレーヤーということで、ご理解ください。

得意の描き下ろしイラストが、用具提供のダンロップのプロモカードになったことも。

これも画伯の才能がないとできない、他のプレーヤーには簡単にはマネできない「ファンサービス」だ。

礼儀正しく謙虚。だが自分自身の意思、考え方を、しっかり持っている。

そうでなければ、全く持って一般的とは言えない、あの独特のテニスや、テクニックが生まれるはずはない。

「膝を曲げろ」「下半身を使え」「闘志を前面に出せ」。

きっと数々の指導を受けてきたのだろうが、意に介せず、今のスタイルを確立してきた。

その自分の信念に従う姿勢は、プレー以外の行動にもたくさん表れている。

ラケットやボール、審判や環境、誰のせいにする訳でもなく、自然体で、きちんと前だけを見ている今の姿は、やはり凄い。

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駆け出しブロガー
スポーツ紙勤務30年で退職した元野球記者、データコラムニスト
大学時代は関西1部リーグ庭球部所属もボーラー、ベンチコーチの方が多かった
数字でテニスを深堀り!時々ただの観戦記。わかりやすくテニスの魅力が伝わればと
ATP、WTAの公式データを参考にさせていただいています。
WOWOW、U-NEXT、ATP、WTAの配信も利用させていただいています。
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