坂本怜 今年初戦でツアー初勝利ならず

3度目の正直ならず
2026年初戦で、自身ツアー初勝利を目指した、坂本の願いは叶わなかった。
世界ランク200位、坂本怜(19歳)が1月6日、中国銀行・香港オープン1回戦に臨み、世界39位で第5シードのロレンツォ・ソネゴ(30歳=イタリア)と対戦。2-6,6-7(3)のスコアで、惜しくも敗れた。試合時間1時間45分。
2025年3月、予選ワイルドカードで出場し予選を突破したマイアミ・オープン、同年9月、予選を突破した上海マスターズに続く、
ツアー本戦3度目の挑戦だったが、3度目の正直とはならなかった。
| 坂本の過去のATPツアー本戦成績=選手名の後ろは当時の世界ランク | ||||
| 2025年3月 ATP1000 マイアミ・オープン | ||||
| 1回戦 | ⚫️ | A・ミュラー | 41 | 4-6,4-6 |
| 2025年9月 ATP1000 上海マスターズ | ||||
| 1回戦 | ⚫️ | M・アルナルディ | 71 | 6-7(3),4-6 |
| 2026年1月 ATP250 香港オープン | ||||
| 1回戦 | ⚫️ | L・ソネゴ | 39 | 2-6,6-7(3) |
第1セットで2ブレーク許す
相手はキャリアハイ21位の強敵。
第1セットは得意のサービスゲームでも力の差を見せつけられた。
第1ゲームこそ、デュースの末、キープ。
だが、第3ゲームはデュースの末、落とす。
第5ゲームもデュースの末、なんとかキープ。
しかし、第7ゲームは、またもデュースの末、落とした。

坂本が2ブレークを許したのに対し、4ゲームあったリターンゲームでは、わずか4ポイントしか奪えなかった。
ウィナーは「10-7」と上回ったが、アンフォーストエラーは「7-19」の完敗。
トータルポイント「21‐33」と差を付けられた。
ほぼ互角の第2セット
第2セットも第3ゲームで先にブレークを許す。
あとがなくなった坂本のサービスゲームの第7ゲーム。またもデュースにもつれ込む。
しかし、坂本はここで第1セットとの粘りの違いを見せつけた。
14ポイントを争う、14分58秒の長いゲームになったが、
最後は連続ウィナーを奪いキープ成功。
しかも続く第8ゲーム、ソネゴのサービスゲームでは、デュースの末、
この試合初となるブレークを奪う。
続く第9ゲームもキープして、ゲームカウント5-4、さらには6-5とリードする意地を見せた。
最後はタイブレークで敗れたが、第2セットのトータルポイントは「42-45」と
タイブレークでの3ポイント差を除けば完全に互角。
特にゲームカウント1-3以降は、「34-32」と坂本の方が上回っていた。
第2セットだけで1時間7分の激戦だった。
ネクストジェン枠で本戦から
コーチのフェデリコ・リッチ氏を中心とした坂本陣営にとっては「勝負手」だった。
2026年度ツアーの開幕戦。いきなり「Next Gen ATP プログラム」を使った。
20歳以下でかつ世界ランク250位以内の選手が、シーズン中1回だけ得られる、ATP250本戦のチャンス。
この若手が実戦経験を積みやすくする制度を活かして、本戦からの出場を選択した。
| Next Gen Accelerator 出場権制度/20歳以下 | |
| 2026年対象 | 2006年以降生まれ |
| ATP250本戦 | 1回/1シーズン |
| ATP250予選 | 2回/1シーズン |
| チャレンジャー100/125本戦 | 最大8回 |
| ※ATP250大会は複数大会が開催されている週に限って有効 | |
昨年のポイントが大量に残るシーズン序盤に、チャレンジャー上位進出と同等の価値がある「ATP250での1勝」を取りに行った。
2026年はATPを主戦場に
首尾よく勝ち上がれば、予選免除や予選上位シードが増え、2026年の戦いが楽になる。
勝てなくても、ツアー上位のスピードや強度を体感でき、今シーズンに活かすことができる。
この決断は、2026年は、チャレンジャーではなく、
ATPツアーを主戦場としようとする強い意志の表れに、ほかならない。
「先手必勝」とはならなかったが、ツアー4勝、百戦錬磨のソネゴとの対戦で、学ぶべきことは多くかったはずだ。
ソネゴは2025年全豪オープンでベスト4入り。
その際には、2回戦で2006年生まれのジョアン・フォンセカ(ブラジル)、4回戦で2005年生まれのラーナー・ティエン(アメリカ)と、2006年生まれの坂本と、ほぼ同世代のトップを倒している。
トップ50プレーヤーや、同世代の頂点と比べての差、課題などを知るには格好の相手となったはずだ。
トップ50と価値ある接戦
これで対トップ100選手とのキャリア通算対戦成績は3勝6敗。
それでも2025年9月の木下ジャパン・オープン以降は接戦が増えた。
昨年9月の上海マスターズでは、キャリアハイ37位のマッケンジー・マクドナルド(30歳=アメリカ)を、そしてこの日は、キャリアハイ21位、現トップ50位内のソネゴと、第2セットは互角と言える戦いを演じた。
確実にまた一歩、トップ100位入りを目指す経験を積んだ、と言えるだろう。
| 坂本怜 過去の世界ランク100位以内との対戦 | ||||
| 回戦 | 対戦相手 | R | スコア | |
| 2024年9/23 ATP500 木下ジャパン・オープン | ||||
| 予選1回戦 | ⚫️ | L・ナルディ | 88 | 3-6,1-6 |
| 2025年3/14 Challenger175 キャップカナ | ||||
| 2回戦 | ⚫️ | J・メンシク | 57 | 4-6,2-6 |
| 2025年3/19 ATP1000 マイアミ・オープン | ||||
| 予選2回戦 | ⚪️ | J・ダックワース | 95 | 7-5,7-6(5) |
| 2025年3/20 ATP1000 マイアミ・オープン | ||||
| 1回戦 | ⚫️ | A・ミュラー | 41 | 4-6,4-6 |
| 2025年9/22 ATP500 木下ジャパン・オープン | ||||
| 予選1回戦 | ⚪️ | A・ウォルトン | 77 | 6-2,6-4 |
| 2025年9/23 ATP500 木下ジャパン・オープン | ||||
| 予選2回戦 | ⚫️ | A・ブキッチ | 95 | 4-6,6-7(5) |
| 2025年9/30 ATP1000 上海マスターズ | ||||
| 予選2回戦 | ⚪️ | M・マクドナルド | 99 | 6-4,6-3 |
| 2025年10/2 ATP1000 上海マスターズ | ||||
| 1回戦 | ⚫️ | L・アルナルディ | 73 | 6-7(3),4-6 |
| 2026年1/6 ATP250 香港オープン | ||||
| 1回戦 | ⚫️ | L・ソネゴ | 39 | 2-6,6-7(3) |
次は全豪オープン
次は全豪オープン予選に向かう。
1月12日(月)から15日(木)まで3試合を勝ち抜き、18日(日)から開幕する本戦に出場するのが、最大の目標となる。
敗れはしたが、悲観することはない。
ツアー初勝利が、グランドスラムとなっても、今の坂本の力量なら何の不思議もない。




