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伊藤あおいの試合予定と結果は
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園部八奏 クレーで泥臭く逆転

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世界295位、園部八奏(17歳)がスロベニアのクレーコートで粘り強さを発揮した。W50ポルトロスの予選2回戦に臨み、574位、A・ズッキーニ(21歳=イタリア)を相手にフルセットで勝利した。

第1セットを7-5で順調に取ったが、第2セットで雨脚が強まった悪天候に苦しんだ。

ボールも重くなり、足元もぬかるみ始めた。ボーラーもいない。観客もいない。

孤独な戦いは続き、第2セットを4-6で落としてしまう。

珍しくラケットを地面に落とすような姿を数回見せ、集中力は完全にダウンしたかに見えた。

最終第3セットも先に2ブレークされ1-4。

さらに相手のサーブという絶体絶命の状況だったが、園部は最後の最後まで試合を諦めなかった。

水分を含んだ赤土で、いつものようなキレイな3球目攻撃もリターンエースも決まらない。

普段のように美しいテニスでなくても構わない。ここからは、ただひたすら勝利にこだわる姿勢を見せた。

体重を後ろ気味にして、無理やりスピン量を増やし、ねじ込むようなフォアもあった。速攻ウイナーだけでなく、泥臭くボールに食らいつき、長い球足で相手にミスさせるショットを狙い続けた。

驚異の集中力復活で5ゲーム連取。

その間の両者のポイント数は20-5。なんとラスト5ゲームで15ポイント差をつけた。

第3セットの1-4まで、11-16だったのが、ウソのような大逆転劇だった。

トータルポイント推移園部ズッキーニ
第1S3932
第2S3037
第3S1-4まで1116
6-4まで205
マッチ通算10090

5-4、相手のサーブで迎えた0-40のマッチポイントは、従来通り美しい逆クロスのフォアウイナーで決めきってみせた。

予選第1シードとして勝って本戦に進むことこそ意義がある。試合時間2時間54分。そんな園部の魂が凝縮したようなラストポイントだった。

安藤証券オープンでは、初参戦となったW100大会(100万ドル大会)で初優勝。決勝では柴原瑛菜に分があるかに思えたが、終始落ち着いたプレーでアッサリと、大きな栄冠を手にして見せた。2025年1月には全豪オープンジュニアを勝ち、2月のWTA500アブダビオープンではツアー初本戦で初勝利。

大舞台に強いのは想像できていたが、この日のような決して恵まれてない環境でも、17歳とは思えぬクレバーさで、泥臭く勝利できた。こちらは園部の持つ高いポテンシャルの、まだあまり知られていない部分なのかもしれない。

この後の大会は5月26日からのW75ブレシア(イタリア=クレー)、6月2日からのW75カゼルタ(イタリア=クレー)に、エントリー。6月1日が初日の全仏オープン・ジュニアの出場予定メンバーにも名を連ねていたが、出場を見送った。

この日見せた粘り強い精神力とフィジカル。何が起こるかわからないクレーコートを勝ち上がるうえで、必要不可欠な要素であるのは間違いない。赤土へのフィット感の良さも、予選2試合で十分に感じさせている。

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ABOUT ME
テニスうどん
テニスうどん
駆け出しブロガー
スポーツ紙勤務30年で退職した元野球記者、データコラムニスト
大学時代は関西1部リーグ庭球部所属もボーラー、ベンチコーチの方が多かった
数字でテニスを深堀り!時々ただの観戦記。わかりやすくテニスの魅力が伝わればと
ATP、WTAの公式データを参考にさせていただいています。
U-NEXT、WTAのテニス配信も利用させていただいています。
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