やった坂本怜 ツアー初勝利はマスターズ

92位コバチェビッチ破る
坂本怜がうれしいツアー初勝利を挙げた。
しかもグランドスラムに次ぐグレード、ATP1000(マスターズ)大会で成し遂げるというビッグな1勝だ。
世界ランク164位、ワイルドカードで出場した坂本怜(19歳)は3月20日、マイアミ・オープン1回戦に臨み、世界92位のアレクサンダー・コバチェビッチ(27歳=アメリカ)と対戦。2度の雨中断を挟みながら2時間59分、6-4,3-6,7-6(7)のスコアで勝利した。
▶「U-NEXT テニス」YouTubeより
第1セットは完璧だった坂本
第1セットは坂本が完璧な試合運びを見せた。
ブレークポイントすら与えない。
フォアのアンフォーストエラー0本。
自らのサービスゲーム5ゲームで、わずか3ポイントしか失わず。
1ブレーク、6-4でセットをモノにする。
第2セットはコバチェビッチ
第2セットは逆にコバチェビッチのサーブが冴え渡る。
こちらもブレークポイントすら与えない。
ファーストイン19度中、全19ポイント奪取。
自らのサービスゲーム5ゲームで、わずか2ポイントしか失わなかった。
互いにサービス力が圧倒的な両者。しかもかなりの高速サーフェス。
サービスの出来が、そのままセット奪取に直結する展開となった。
1ブレークを許した坂本は、3-6でセットオールに追いつかれた。
| 各セット両者のファーストサービス時ポイント獲得率 | ||
| 坂本怜 | コバチェビッチ | |
| 88% (15/17) | 第1S | 79%(15/19) |
| 77% (10/13) | 第2S | 100% (19/19) |
| 86% (19/22) | 第3S | 71%(22/31) |
| 85% (44/52) | マッチ | 81% (56/69) |
| 各セット両者のサービスイン確率 | ||
| 坂本怜 | コバチェビッチ | |
| 74% (17/23) | 第1S | 76%(19/25) |
| 68% (13/19) | 第2S | 86% (19/22) |
| 61% (22/36) | 第3S | 76% (31/41) |
| 67% (52/78) | マッチ | 78% (69/88) |

ファイナルタイブレ決着
そして迎えたファイナルセット。互いにオールキープで譲らずタイブレークに突入。
ここも10分を超える激しい攻防だった。
コバチェビッチの素晴らしい粘りのストローク、ネット前で勝負に出る姿勢に苦しみながらも、坂本は我慢に我慢を重ねた。
最後は坂本5度目のマッチポイントで決着。
8-7リードで自信のあるファーストサーブを、相手ボディーにぶち込んでケリを付けた。
6-4リードから2本返されて6-6の苦しい場面でも、セカンドサーブを相手ボディー正面へ打ち込んでいた。
自身のサービス、まさかの2連続ボディーという「勝負手」。
決め抜くところが、強心臓の坂本らしかった。
雨にも負けず「84」対「82」
その瞬間、スタンドで見守ったフェデリコ・リッチ コーチら陣営に向かって高らかに吠え、笑顔を見せた。
会心の「侍ポーズ」もマイアミのファンに気持ちよく披露した。
エースの数は坂本19本、コバチェビッチ21本。
トータルポイントは坂本から見て「84」対「82」の大接戦だったが、
最後は坂本の勝利への執念が上回った。
第1セット早々と、ファイナルセット終盤の雨中断は、2度とも坂本のサービスゲームだったが動じず、きっちりとキープする「大人」の集中力も光った。
その落ち着きぶりはツアー初勝利がかかったタイブレークでも変わらなかった。
5度目挑戦で待望初勝利
今回がツアー本戦5度目の挑戦となったが、ついに待望の初白星を手にした。
ATP1000予選は過去4度挑戦し、うち2度で予選を突破して本戦出場。しかしながら、2025年3月のマイアミ・オープン、同年10月の上海マスターズとも1回戦で敗れていた。
2026年初戦となったATP250の香港オープンは「Next Gen ATP プログラム」使って本戦出場したが、1回戦敗退。
予選を突破したグランドスラムの全豪オープンでは、1回戦でラファエル・ホダル(19歳=スペイン)とフルセットの死闘の末、惜しくも初勝利を逃していた。
| 坂本怜ATPツアー本戦成績 | ||||
| 2025年3月20日 ATP1000マイアミ・オープン | ||||
| 回戦 | 対戦相手 | R | スコア | |
| 1回戦 | ⚫️ | A・ミュラー | 41 | 4-6,4-6 |
| 2025年10月2日 ATP1000上海マスターズ | ||||
| 1回戦 | ⚫️ | M・アルナルディ | 71 | 6-7(3),4-6 |
| 2026年1月6日 ATP250香港オープン | ||||
| 1回戦 | ⚫️ | L・ソネゴ | 39 | 2-6,6-7(4) |
| 2026年1月20日 グランドスラム全豪オープン | ||||
| 1回戦 | ⚫️ | R・ホダル | 150 | 6-7(8),1-6,7-5,6-4,6-3 |
| 2026年3月20日 ATP1000マイアミ・オープン | ||||
| 1回戦 | ⚪️ | A・コバチェビッチ | 92 | 6-4,3-6,7-6(7) |
錦織 西岡もできなかった10代勝利
5度目の正直で、ついにつかんだツアー初勝利。しかもそれは
錦織圭、西岡良仁も、成し遂げられなかった10代マスターズ1000での1勝となった。
17歳でツアー初勝利、18歳でツアー初優勝、18歳でグランドスラム初勝利(全米オープン)という点では錦織には及ばないが、故障もあって錦織のATP1000の本戦初勝利は21歳の時。
20歳で初勝利を挙げた西岡良仁をも上回る、年少記録だ。
くしくも錦織、西岡、坂本ともATP1000の初勝利はこのマイアミ・オープン。
次代のエース候補、坂本にとっては、
錦織の勝利から15年後、西岡の勝利から10年後という、運命深い数字も並んだ。
| 主な日本選手のATP1000初勝利時の年齢 | ||
| 選手名 | 本戦初勝利 | 年齢 |
| 坂本 怜 | 2026年3月 マイアミ | 19歳8カ月 |
| 西岡 良仁 | 2016年3月 マイアミ | 20歳5カ月 |
| 錦織 圭 | 2011年3月 マイアミ | 21歳2カ月 |
| 松岡 修造 | 1990年3月 インディアンウェルズ | 22歳3カ月 |
坂本が世界ランク100位以内の選手から挙げた勝利は、これで4勝目(7敗)。
勝負の土壇場までもつれ込んで、キャリアハイ54位の実力者からもぎ取った1勝は、大きな自信となったことだろう。
| 坂本怜 世界ランク100位以内からの勝利 | ||||
| 回戦 | 対戦相手 | R | スコア | |
| 2025年3月19日 ATP1000 マイアミ・オープン | ||||
| 予選2回戦 | ⚪️ | J・ダックワース | 95 | 7-5,7-6(5) |
| 2025年9月22日 ATP500 木下ジャパン・オープン | ||||
| 予選1回戦 | ⚪️ | A・ウォルトン | 77 | 6-2,6-4 |
| 2025年9月30日 ATP1000 上海マスターズ | ||||
| 予選2回戦 | ⚪️ | M・マクドナルド | 99 | 6-4,6-3 |
| 2026年3月20日 ATP1000 マイアミ・オープン | ||||
| 1回戦 | ⚪️ | A・コバチェビッチ | 92 | 6-4,3-6,7-6(7) |
さあメドベージェフ戦
2回戦の相手は、世界10位で第9シードのダニール・メドベージェフ(30歳)。
坂本にとっては初のトップ10選手との戦い。
いわずと知れたキャリアハイ世界1位の男との初対決だ。
先のインディアンウェルズでは、現世界2位のヤニック・シナー(24歳=イタリア)と初練習し、試合形式では6-4,3-5と互角の戦いを演じた。
今度は本当の実戦で、世界の超トップレベルを感じるチャンス。
ついに手にした、ツアー初勝利という勢いを武器に、日本期待の19歳が、どこまで立ち向かえるのか、注目だ。




