伊藤あおい 心配な途中棄権

まさかの棄権申し出
世界ランク201位の伊藤あおい(21歳)が3月12日、ITF W35「マジック・ホテル・ツアーズ・バイ・FTT」(チュニジア・モナスティル)2回戦に臨んだ。予選上がりで世界ランク636位のティエン・ジアリン(19歳=中国)と対戦。第1セットを3-6で落とし,第2セット0-3の時点で試合を止め、棄権を申し出た。試合時間は51分。
1回戦で3時間14分のロングマッチを制して中1日。
先週大会で腰椎疲労骨折から6カ月ぶりの実戦復帰を果たしたばかりの伊藤にとって、フィジカルを回復させるのは、困難だろうと推測できた。
だが、このような形で試合終了となるとは到底、想像できなかった。
第1セット第7ゲームから異変
第1セット中盤までは動きこそ鈍いものの、通常通りにプレーしているように見えた。
だが、2-4で迎えた第7ゲームあたりから、おかしい動きが出だした。
最初のポイント、バックで高めのボールに深く腰を入れ、逆クロスを狙ったショットが大きく外れた。
この瞬間、左手で左腰を抑え、痛そうな表情を見せた。
その後、30-15に。
下がりながらのフォアスラでは、腰が痛んだのかと思わせる、弱々しい打ち方になった。
ここから明らかに、体幹のひねりがおかしいと思われるミスショットが増えた。
それでも、なんとかブレークして3-4。
第8ゲームでは深いリターンを追えず。ダブルフォルトなどであっさりブレークを許す。
そして3-5の第9ゲームからは、完全にボールを追えなくなった。
相手のフォアのクロスを見逃しノータッチのウィナー。
ドロップを打たれ、本能でなんとか拾うも、クロスパスの餌食に。
相手のバックのダウンザラインにもまったく反応できず。
普段の伊藤なら絶対に見られないほど、あっさりとセットを落とした。

第2セットさらに悪化
第2セットは誰の目にも分かるほど、動きが悪化した。
最初の伊藤のサービスゲーム。
なんでもないバックのストレートリターンを見逃す。
その後はダブルフォルト2連発。
0-40からサーブこそ打つが、
その後は通常の力加減のショットを打つのを完全にやめた。
3球目でバックの緩いショートアングルを狙うが、ストレートウィナーを返され、ブレークを許す。
続く第2ゲームのリターンでは、ワイドサーブに力なく手を伸ばすだけ。
バックのリターンはラケットにボールが当たる衝撃すら、つらそうに見えた。
第3ゲームのサービスゲームではバックのショートアングルはネット白帯。
フォアのショートアングルはネット中央より下に落ちた。
最後はフォアのスライスドロップを狙ったが、完全なミスに。
このゲームを落とすと、主審に棄権を申し出て、自ら試合を止めた。
単なる疲労なら大きな心配は必要ないかもしれない。
だが、通常のショットをまったく打てなくなった、
この第2セットの様子は、やはり腰痛の再発を疑わずにはいられないものだった。
対中国選手3連敗
先週の復帰大会は世界445位ルー・ジャージン(36歳=中国)に敗れ、今大会はまたも中国選手に敗れた。
これで対中国選手は3連敗となった。
伊藤は過去、日本選手を含め40カ国の選手と対戦。
3試合以上対戦のある国別での勝敗を見ると、
最も勝率が悪いのは、中国選手で6勝9敗、勝率.400。
だが、そんなデータより、心配するべきは、伊藤の腰の状態だ。
| 伊藤あおい 対戦相手国別勝敗(対戦3試合以上) | ||
| 国名 | 勝敗 | 勝率 |
| 中国 | 6勝9敗 | .400 |
| オーストラリア | 10勝11敗 | .476 |
| 台湾 | 9勝1敗 | .900 |
| 韓国 | 5勝2敗 | .714 |
| タイ | 5勝2敗 | .714 |
| インド | 2勝1敗 | .667 |
| フランス | 6勝0敗 | 1.000 |
| イタリア | 5勝0敗 | 1.000 |
| セルビア | 3勝0敗 | 1.000 |
| ドイツ | 4勝1敗 | .800 |
| イギリス | 5勝2敗 | .714 |
| チェコ | 3勝2敗 | .600 |
| スペイン | 2勝2敗 | .500 |
| アメリカ | 7勝6敗 | .538 |
| ロシア | 10勝6敗 | .600 |
| 日本 | 77勝35敗 | .688 |
| 通算(3試合以下含む) | 181勝92敗 | .663 |
甲府国際に出場できるのか?
当初はこのモナスティル遠征の2大会で4試合ほどをこなし、試合勘、フィジカルの両面を上げていこうと考えていたはず。
だが、復帰4戦目で何らかのアクシデントが起こった。
腰痛再発となると、スケジュールを見直さざるを得ない。
次の出場予定大会は3月17日から本戦が始まる、株塾甲府国際オープンテニス。
まずは帰国してすぐ医師の診断を受けることになるだろう。
日本凱旋となるはずだったが、出場できるか、非常に微妙な事態になった。




