伊藤あおい 「天才15歳」を一蹴し快勝


期待の新星を沼にハメる
伊藤あおい選手が3月16日、マイアミ・オープン予選1回戦(WTA1000、マイアミ)で15歳の期待の新星を一蹴した。6-2,6-3のストレートで1時間13分の試合を制した。
相手のK・エフレモアは女子テニスの「今後最も将来が嘱望されている」との呼び声も高い選手。すでにナイキとも契約、インスタのフォローワーは7・8万人を誇る次代のスター候補だ。今回がワイルドカードで華々しくWTAデビューを飾る予定だったが、20歳の伊藤はその5歳年下のポテンシャルの高さを封じ込めた。
得意のフォアスラ、相手バックへのムーンボール、ドロップとアングルを織り交ぜた前後への揺さぶり。自らの攻撃の際は、スニークインを織り交ぜたネットプレー、バックの逆クロスと、その持ち味をいかんなく発揮。15歳に、将来のスターらしいテニスをさせなかった。
序盤 高いファーストサーブ確率
第1セットはファーストサービスの確率が非常に高い81.5%(22/27)の立ち上がり。
このセットだけでダブルフォルト3個と硬さが目立ったエフレモアに対して落ち着いたプレーを見せた。1度のブレークは許したものの、3度のブレークを奪い6-2。このセットのトータルポイントは33対24。
3ゲーム連取されても慌てず
第2セットも第2ゲームで早々にブレークを奪い、2-0とリード。この間、ポイントは8対1と伊藤の勢いは止まらない。
このまま押し切るかと思われたが、ここでエフレモアが意地を見せた。
伊藤から2ブレークを奪い3ゲーム連取。強烈なフォアバックのストロークがベースラインに突き刺さり、ウイナーも奪われ始めた。その間のポイントはエフレモアから12対4。あっという間の逆転劇に、普通なら慌てるところだろうが、伊藤は動じなかった。
フェデラー+シューウェイ
ゲームカウント2-3で迎えたエフレモアのサービスゲーム15-30から潮目が変わった。
伊藤は相手に気持ちよく打たせないことに専念した。
浅いフォアスラで前におびき出し、バックのトップスピンロブで、バックのハイボレーをさせる。
なんとか返した相手のボールは浅いチャンスボール。通常ならスピンでストレートでもクロスでも押し込めさえすれば決まるシーン。せいぜい余裕を見せてのドロップショットという選択肢だろうが、伊藤はなんとフォアスラで相手のクロスコートへ。完全に予測を外された15歳は一歩も動けず完璧なウイナーとなった。かつてのフェデラーが見せた、相手を嘲笑うようなショットだった。
続くブレークポイントはシューウェイのようなプレー。この日、再三意識させたバックの逆クロスで追い込む。
エフレモアが「天才」らしく立て直す時間を作ろうとフォアスラで返球すると、伊藤は通常よりサイドスピンをかけたフォアスラストレート。相手もバックのスライスでニュートラルに戻そうとしたところ、伊藤は、今後は早いタイミングでバックのクロスアングル。
一瞬で時間を奪い去り、エフレモアがなんとか返球したボールを、さらに、より早いタイミングでバックのライジングストレート。エフレモアの得意のフォアハンドは力なくベースラインを割り、勝負あった。
両者のトータルポイント推移 | ||
伊藤 | エフレモア | |
第1セット | 33 | 24 |
第2セット2-0まで | 8 | 2 |
第2セット2-3まで | 4 | 12 |
第2セット6-3まで | 17 | 7 |
トータル | 62 | 45 |
「沼」スタイル炸裂
このブレークゲームを含め、伊藤は4ゲーム連取で勝利に突き進んだ。その間のポイント数は17対7。第3~5ゲーム間の4対12の劣勢を見事に逆転。第2セットのトータルポイントは29対21と接戦だったが、セット終盤のゲームメイクのうまさで相手に付け入るスキを与えなかった。
第2セットも伊藤のファーストサービスのイン確率は71.4%(20/28)。
マッチ通算は76.4%(42/55)。ファーストイン時のポイント獲得率も64.3%(27/42)。
相手の勢い、好不調に惑わされず終始、安定したサービスに象徴される、力みのないプレーで、相手のリズムを崩し、ラッシュを止めた。
エフレモアは、有名なムラトグルー・アカデミーで10歳からテニス漬けの毎日を送ってきた。12歳のときに父親をガンで亡くしたが、その6日後、ヨーロッパのジュニア大会で優勝。
ムラトグルー氏も、何でもできるオールラウンドのプレースタイルのほか、テニスで絶対に成功しようという強い意志を絶賛していた。だが、伊藤は、15歳とはいえ、そんな「メンタルタフネス」をひょうひょうと「沼」にハメて見せた。
次は日本で勝利した相手
次戦の予選2回戦は、23歳と若いこれまたドイツの期待の星、世界78位で第5シードのL・リス。昨年10月の木下ジャパンオープン準々決勝で伊藤が6-7,6-2,6-3で逆転勝ちした相手との再戦になる。
自らを「初見殺し」という伊藤にとって、2度目の対戦は、真の力が試されるときでもあろう。前回も「沼」にハメた印象が強い逆転劇だった。この日と同様、自分のペースに引き込めるか、また楽しみな一戦となる。
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