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伊藤あおいの試合予定と結果は

錦織対フォンセカ ロングラリー勝敗は?

錦織アリゾナスコア
tennis udon

錦織圭選手が3月15日、アリゾナ・クラシック準決勝に臨んだが、ストレート負けした。注目された世界ランク80位のブラジルの新星、J・フォンセカとの初対戦は3-6,3-6。第1セットの第6ゲームにブレークを許し、第2セットも第5ゲーム、最後の第9ゲームの、2度のブレークを許した。自らは1度もブレークポイントさえ握れない、1時間7分の完敗で決勝進出はならなかった。

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サービスエース7本のフォンセカに対して錦織0本。ファーストイン時のポイント獲得率76%のフォンセカに対して錦織は54%。セカンド時のポイント獲得率71%のフォンセカに対して錦織57%。

トータルポイントは62対44と、フォンセカに18ポイントもの差を開けられた。サービス力の差、ショートポイントでの不利は明らかだった。

だが、今後のことを考えると、本当に大事なのは、今後のテニス界を担うだろう18歳の圧倒的なパワーショット、特に現在世界最速と思える、その強烈なフォアハンドに対抗できたかどうかだろう。

5本以上のラリーとなった全ポイントを書き出してみると面白いことがわかった。

第1セット序盤4ゲームは錦織が8勝1敗。錦織の早いタイミングのショットにフォンセカがミスをする展開が続いた。第1、第2ゲームの6度あったロングラリーは錦織が6連続で制すほど、その差は歴然だった。

だが第5ゲーム以降はフォンセカが錦織のタイミングに順応した。

強烈なフォアで押し込み、錦織がいくらバックに運んでも、低い弾道の両手バックのドライブがうなりをあげた。錦織も、より早い攻撃を狙ってか、ミスも増えた。2-4で迎えた第7ゲーム、14度のロングラリーを連続して奪われたのが、典型的なシーンだった。

第1セット序盤は錦織、後半はフォンセカと、明暗がくっきり分かれた。

第1セット5本以上のラリーの際のポイント勝者と最終内容
勝者最終ポイント内容
11錦織フォンセカがバックをネットミス
錦織フォンセカがバックをアウトミス
錦織フォンセカがバックボレーミス
錦織フォンセカがフォアをアウトミス
錦織錦織フォアがネットイン
錦織フォアクロスウイナー
フォンセカフォアボレーウイナー
錦織フォアボレーウイナー
錦織フォンセカがフォアをミス
10フォンセカ錦織がバックをミス
フォンセカ錦織がフォアをネットミス
フォンセカフォアストレートウイナー
フォンセカバックストレートウイナー
フォンセカ錦織がフォアをネットミス
錦織フォンセカがバックストレートミス
14フォンセカ錦織がフォアをアウトミス
14フォンセカ錦織がフォアをサイドアウト
フォンセカ錦織がバックスライスをネット
錦織フォアストレートウイナー
11フォンセカ錦織がフォアボレーミス
錦織フォンセカがバックをネットミス

通常ならこのまま打つ手なしというところだが、第2セットに入ってからの錦織は、5本以上のラリーで互角の勝負を見せた。

機を見てネットに出たり、前後に揺さぶったり、簡単に打ち負けることはなかった。フォアの逆クロス、クロスと負けじとウイナーも奪った。錦織の早いテンポを知ったフォンセカに対して、単調な早いだけのラリーはせず、メリハリのつけた攻撃を見せた。

第2セットの5本以上のラリーは11勝12敗、わずかに1ポイント上回られただけだった。

第2セット5本以上のラリーの際のポイント勝者と最終内容
勝者最終ポイント内容
錦織フォアボレーでウイナー
11フォンセカ錦織がバックサイドアウト
錦織錦織バックのスライスがネットイン
フォンセカバックボレーでウイナー
フォンセカ錦織フォアがサイドアウト
錦織フォアクロスウイナー
11フォンセカ錦織バックがバックアウト
錦織フォンセカがバックをネットミス
錦織フォアストレートウイナー
14フォンセカ錦織がバックボレーミス
フォンセカウイナー級フォアを返せず
フォンセカフォアの逆クロスウイナー
10錦織フォンセカがフォアスライスネット
錦織フォンセカがバックをミス
錦織フォンセカがバックをネットミス
フォンセカ錦織がバックスライスをアウト
フォンセカ錦織がフォアボレーできず
11錦織ウィナー級フォア逆クロス
フォンセカフォアドロップでウイナー
錦織フォンセカがフォアをネット
錦織ウイナー級フォアの逆クロス
フォンセカ錦織がバックをネットミス
13フォンセカウィナー級フォアの逆クロス

とはいえ、爆発的なサーブ力とフォアハンドを持つ相手に、勝っていくとなれば、錦織はロングラリーで完全に制圧していくしかないだろう。

第2セットの2-2で迎えた第5ゲーム、ブレークを許した。デュースに持ち込まれた際のロングラリー、5本目のバックスライスをエラーした錦織は「集中!」と大きな声をあげた。このレベルの相手に、ショットメイキング途中でのミスは許されないことは、元世界4位は百も承知している。

フォンセカの試合後のコメントをATP公式より拝借する。

まず第一に、ケイと一緒にコートに立てて嬉しかった。素晴らしい選手、素晴らしいアスリート、本当にいい人。今日は積極的にショットを打って、試合中、彼を不安にさせながら勝てたので、とても満足している。ポルトガル語で『扉を閉める』と言うんだ。彼に勝てると信じさせない。ブレークしてサーブも上手くキープした。とても良かった。勝てて嬉しいよ」

ラスト3ゲーム、錦織はストリングスのテンションを気にする素振りを見せた。錦織にしてみれば、見せ場を作れず、あっさり敗れた印象だ。1時間強と言わず、もう少しゲームを見たかった。次こそ勝てると信じられる『扉を開けて』、次代の若者に、ベテランの強さ、恐怖を体感させてやってほしい。

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テニスうどん
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駆け出しブロガー
スポーツ紙勤務30年で退職した元野球記者、データコラムニスト
大学時代は関西1部リーグ庭球部所属もボーラー、ベンチコーチの方が多かった
数字でテニスを深堀り!時々ただの観戦記。わかりやすくテニスの魅力が伝わればと
ATP、WTAの公式データを参考にさせていただいています。
U-NEXT、WTAのテニス配信も利用させていただいています。
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