伊藤あおいフォアスラ7割 苦手に3連敗


同じ相手に3連敗
世界ランク101位の第1シード、伊藤あおい(20歳)が世界ランク221位のL・カブレラ(27歳=オーストラリア)に4-6,6-3,3-6で敗れた。4月30日、岐阜カンガルーカップ1回戦で激突し、2時間8分で初戦敗退となった。
伊藤にとってカブレラはランク下位の選手だが、過去0勝2敗と苦手とする相手だった。2023年5月17日の久留米国際1回戦では3-6,6-4,4-6と惜敗。2024年9月12日のパース国際2回戦では6-7(3),1-6のストレートで敗れていた。
今回は用意周到な戦略を練られ、同じ相手に3連敗となった。
フォアの7割がスライスに
伊藤が従来うまく使うはずのフォアスライスを、完全に狙われた。
伊藤のフォアハンドストロークの全ショットを集計した。スピンとスライスに分けると、
スライスの割合は、第1セット73.3%。
攻撃的なバックを打てず、実に135ショットもの数のフォアを打たされた。
第2セットこそ、伊藤がフォア側でもバックに回り込むなどして攻撃的に転じる工夫をこらし、割合を64.9%にまで減らしてセットを奪った。
しかし第3セットでは、スライス割合は、再び69.5%へと増加した。
ゲーム全体を通じて約7割がスライス。
伊藤は普段通り、滑るスライス、曲がるスライス、守りのスライスと何種類ものスライスを駆使したし、スピンを交ぜたタイミングの変化も相変わらず上手かった。
だが、ここまでスローペースなスライスに偏ってくると、さすがに相手はあまり怖さや難しさを感じなくなったのではないか。
フォアの全ショット数とスライス割合 | ||||
トータル | ショット 数 | スピン | スライス | スライス 割合 |
第1S | 135 | 36 | 99(34) | 73.3% |
第2S | 77 | 27 | 50(16) | 64.9% |
第3S | 96 | 31 | 65(28) | 67.7% |
308 | 94 | 214 | 69.5% | |
( )内は全スライスのうちのリターンによるもの |
相手サービスゲームでフォア狙い
カブレラのサービスゲームの工夫は相当なものだった。
大事なポイントでは、ことごとくサーブのコースを伊藤のフォアに集めた。
第1セットは露骨なほどに。第3セットは速いサーブをバックにも入れ、伊藤の読みを絞らせなくした。
デュースサイドでは時にダブルスライン近くに立ち、完全にワイド狙いを見せてから、本当にワイドにサーブを打ち込み、伊藤にファアスラリターンを、ある意味「強要」していた。
ここぞの場面では、フォアスラリターンをさせてサーブ&ボレーで仕留めるパターンも効いた。
無理しない程度のスピン強打で、フォア対フォアスラの、クロスのストローク展開を作り、時間的余裕を持ってチャンスボールをダウンザラインにウイナーを奪う形も度々あった。
いずれも何度も想定パターンを繰り返し、この試合に挑んでいる様子がうかがえた。
各セットサービスゲーム時とリターンゲーム時の比較 | ||||
第1S | ショット 数 | スピン | スライス | スライス 割合 |
全体 | 135 | 36 | 99(34) | 73.3% |
S | 46 | 16 | 30 | 65.2% |
R | 89 | 89 | 69(34) | 77.5% |
Sはサービスゲーム、Rはリターンゲーム |
伊藤はこの日のフォアのリターンは100%スライス。その分、リターン時にスライスの割合が増えるのは当然といえば当然だが、
落とした第1、3セットとも、リターンゲームでは平均75%以上もの割合でスライスを打たされた計算となる。
第2S | ショット 数 | スピン | スライス | スライス 割合 |
全体 | 77 | 27 | 50(16) | 64.9% |
S | 46 | 16 | 25 | 61.0% |
R | 36 | 11 | 25(16) | 69.4% |
第3S | ショット 数 | スピン | スライス | スライス 割合 |
全体 | 96 | 31 | 65(28) | 67.7% |
S | 33 | 15 | 18 | 54.5% |
R | 63 | 16 | 47(28) | 74.6% |
リプレイザポイント1つを含む |
伊藤のサーブも不調で
本来なら主導権を奪えるはずの伊藤のサービスゲームでも、なかなか攻撃させてもらえなかった。フォアスピンでの3球目攻撃などは得意なはずだが、この日はサービス自体の出来が今ひとつ。
エース0本、ダブルフォルト5本。
マッチ全体のファーストサービス確率は71.6%だったが、第3セットは66.7%まで落とした。
何度も首を傾げ、本来の高い精度を最後まで取り戻せなかった。このあたりも、サービスゲームでスライスが増えた一因だろう。
警戒される立場に
岐阜での今大会、3年連続出場となる伊藤は2023年、2024年とも2回戦で敗退。今回は第1シードながら初戦敗退。試合後サインを求めるファンに、何度も「負けちゃってスイマセン」と謝っていた。
同じく第1シードだった安藤証券オープンをベスト4まで勝ち上がり、疲れを残したままの連続国内参戦。
少しでも多くポイントを稼ごうと日本の海外選手に、警戒され、入念に準備されて、全力で倒しに来られる立場となった。
まもなく本人が苦手というクレーコートシーズン。「警戒網」をかいくぐり、今後、どう勝ち星を積み重ねていくか。
それこそが世界100位内突入を目前にしたプレーヤーに与えられる「試練」なのかもしれない。
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