望月やった!全米初出場初勝利


ウィンブルドンに続き
世界ランク112位の望月慎太郎(22歳)が8月26日、全米オープン1回戦に登場。世界ランク125位のヒューゴ・ガストン(24歳=フランス)と対戦し、6-4,6-3,6-4のスコアでストレート、1時間56分で勝利した。
予選3試合を勝ち上がり、自身初出場を決めた全米オープン本戦で、うれしい初白星をつかんだ。
これで7月のウィンブルドンに続き、2大会連続でのグランドスラム勝利となった。
全豪 | 全仏 | 全英 | 全米 | |
2025 | ー | ー | 2回戦 | 2回戦 |
2024 | 1回戦 | 1回戦 | ー | ー |
2023 | ー | ー | 1回戦 | ー |
通算 | 0勝 1敗 | 0勝 1敗 | 1勝 2敗 | 1勝 0敗 |
予選 | 2-2 | 3-2 | 7-2 | 6-2 |
※全英=ウィンブルドン、2024年全豪はラッキールーザーで本戦出場 |
▶「US Open Tennis Championships」公式YouTubeより
過去1勝1敗相手から完勝
ガストンとは過去2度対戦。いずれも芝のウィンブルドンの予選での顔合わせだった。2022年6月は望月の勝利。2024年6月はガストンの勝利。1勝1敗で、この日3度目の対決。
望月は「足も早いし、なかなかショットが決まらない。長くなる覚悟をして」と話していたが、想定を上回る3セットで試合を終わらせた。
昨年のウィンブルドン予選敗退からの成長を、きっちりと感じさせたる勝利にもなった。
9ブレーク成功
望月は175cm、ガストンは173cmと、ともに俊敏性が武器の、小柄な選手同士の対決。
男子の試合にしては珍しく、圧勝でも5ブレークを許した望月だったが、
逆に9ブレークに成功した。

- ファースト時のサービスポイントウォン70%(28/40)
- ネットポイントウォン76%(28/37)
- ウィナー数37(ガストンは17)
ネットでポイントを重ねる、望月らしい数字はもちろん残したが、
この試合で最終的に、両者の大きな差となったのが、リターン精度の違いだった。
ブレークされても、気持ちを切り替えることができたのは、安定感を持って素晴らしい返球を繰り返したからこそだった。
丁寧なリターン冴え
セカンドサーブ40度のリターンのうち、望月がポイントを奪ったのは24ポイント。
実に60%を奪取した。
ファーストを含めても53%。
リターンポイント数は望月「51」に対してガストン「35」、その差「16」。
両者のトータルポイントは「101」対「80」で、その差「21」だから、大半の差は望月のリターンゲームでついた。
望月のリターンポイントの奪取割合 | |||
1st | 2nd | 通算 | |
R機会 | 56 | 40 | 96 |
Rポイント | 27 | 24 | 51 |
奪取割合 | 48% | 60% | 53% |
ガストンのリターンポイントの奪取割合 | |||
1st | 2nd | 通算 | |
R機会 | 40 | 45 | 85 |
Rポイント | 12 | 23 | 35 |
奪取割合 | 30% | 51% | 41% |
ガストンもミスが少なかったが、望月の各セットごとのアンフォーストエラー数は、第1セット「4」、第2セット「1」、第3セット「0」。
最終セットは28度のリターン機会で、1度も自分からミスをしなかった。
ブロックリターンも交えながら、無理をしない丁寧でコンパクト、かつ時折、見せる攻撃的なリターン。
望月のしつこいリターンが試合の明暗を分けた。
日本背負う男VSデミノー
2回戦の相手は第8シードで世界8位のアレックス・デミノー(26歳=オーストラリア)に決まった。
「俊敏性」対「俊敏性」。「望月のネット」対「デミノーのパッシング」。
両者の持ち味がかみ合えば、これほど楽しみなマッチアップはない。
この日の勝利で、望月のライブの世界ランクは101位にまで上昇。自身初のトップ100入りも目前に迫った。日本トップでライブランク91位の錦織とのポイント差は、かなり縮まっている。
9月12、13日のデビスカップ、ドイツ戦(有明)でも日本代表に選出された。腰の故障で全米オープンも欠場した錦織の状態が懸念されるが、望月が日本No.1になる日も、決して遠くないと感じさせる。
今6月のウィンブルドンでは世界19位、第17シードのカレン・ハチャノフ(29歳)をフルセットまで追い詰めた。2024年の全仏オープンでは、現在のデミノーと同じ世界8位(現6位)だったフベルト・フルカチュ(28歳)とフルセットの激闘を演じている。
互角に戦える、力はある。
初のトップ10撃破で、さらなる自信、さらなる勢いを付けるチャンスがやってきた。
▶「US Open Tennis Championships」公式YouTubeより
予選でのセンスあふれるスーパーショット