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小田凱人 無敗シーズンへまず全豪制覇

小田凱人全豪オープン2026の表紙を表すイメージ画像
tennis udon
全豪オープン車いす男子決勝のスコアを表す画像
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小田凱人が2年ぶり2度目となる全豪オープン制覇を果たした。

1月31日、世界1位で第2シードの小田は全豪オープン男子車いすテニス決勝に登場。世界3位の第3シード、マルティン・デ・ラ・プエンテ(26歳=スペイン)に3-6,6-2,6-2のスコアで逆転勝利した。

3度の雨中断、KIAアリーナからマーガレット・コート・アリーナに移動するアクシデントもありながら、2時間18分の長い戦いを制した。

「皆さんの愛を感じながらプレーしました」

「ここでまた試合をして、もっとたくさんの観客の皆さんの前でプレーしたいです。本当にありがとうございました」

優勝スピーチでは充実の笑顔が弾けた。

小田の全グランドスラム成績
全豪全仏ウィン全米
2026優勝
2025準V優勝優勝優勝
2024優勝優勝SF
2023準V優勝優勝1R
2022SFQFQF
通算14勝
2敗
15勝
1敗
9勝
2敗
6勝
2敗
※2024年パリ・パラリンピック シングルス金メダル、2024年全米はパラと同年のため不開催

プエンテは準決勝で、小田の宿敵・世界2位のアルフィー・ヒューエット(28歳=イギリス)を6-4,6-4で倒しての勝ち上がり。

昨年の小田は、この全豪オープン決勝でヒューエットに4-6,4-6で敗れ、4大大会で唯一、優勝することができなかったが、その雪辱を見事に果たした。

小田の全豪勝ち上がり
回戦対戦相手スコア
1回戦⚪️C・ラツラフ6-3,6-3
準々決勝⚪️T・エグベリンク6-4,6-4
準決勝⚪️G・フェルナンデス6-1,7-6(2)
決勝⚪️M・デ・ラ・プエンテ3-6,6-2,6-2

第1セットこそ、デ・ラ・プエンテの強烈なバックに苦しみ落とした。小田のアドバンテージサイドでのサーブを完全に対策していたようだったが、第2セットから見事に流れを変えた。

起点となったのが、第2セット1-0で迎えた第2ゲームのスーパーショットだった。

サーブで崩され3球目攻撃で、2バウンドするまで必死に追いかけさせられたバックハンド。

ダブルス用のサイドラインの位置から放ったダウンザラインへのショットは、強烈なサイドスピンがかかり、シングルポール外側から巻くように、シングルス用のサイドラインいっぱいに入った。

1.37メートルを内側に曲げる「ブーメランスネイク」。

健常者のように飛び上がるような全身の伸びが使えない中で、まさに驚愕のショットだった。

ここから3連続ポイント、これでイッキに波に乗った。

第2セット5-2でも見せた。

40-30、デ・ラ・プエンテが、サーブから完璧な3球目ドロップを放った。小田は、なんとか追いついただけの状況。当然のようにクロスロブで頭上を抜かれる。

これを小田は凄まじいチェアワークで追いつき、さらに相手が前に出ているのを横目で見抜き、車いすを半転させながらバックで逆クロスのパッシングショット。

ボールはベースライン外側いっぱいに吸い込まれた。

「股」こそないが、難易度で言えば

まさに車いすテニス版「トゥイナー」だ。

勝利をモノにする強さだけでなく、車いすテニス自体を進化させるプレーが、この日も随所に見られた。

もはやプレーの質の頂点を極めたかに見えた昨年の全米オープンから、確実に進化の跡を示した。

ストロークでは積極的にコート内に入り、ノータッチウイナーを狙っていく。

1回戦からウイナー数は

「28」(13)

「33」(23)

「32」(15)

そして決勝では「52」(31)

常に相手を圧倒する数を奪った。

全米で1セット平均14本だったウイナーの数は、全豪では16.1本にまで伸びた。

小田の全米と全豪 ウイナー数の比較  ( )内は1s平均
全米全豪
19(9.5)1回戦28(14)
28(14)準々決勝 33(16.5)
30(15)準決勝32(16)
49(16.3)決勝 52(17.3)
126(14)通算145(16.1)

ファーストサーブの最速は、全米の169キロを4キロ上回る173キロ(準決勝でマーク)。

何より驚かされるのがファーストサーブのアベレージスピード。

デ・ラ・プエンテのリターン対策に、あえて遅いファーストを交えていたにも関わらず

全米の127キロから139キロにまで、12キロ以上アップしている。

小田の全米と全豪 1stサーブ球速の比較 単位はkm
全米全豪
最高AVG最高AVG
1691261回戦166140
150126準々決勝150137
153129準決勝173140
158127決勝160140
158127通算162139

夢は「初の200キロ到達」と公言する。

この日もファイナルセット5-1、40-15で迎えた最初のチャンピォンシップポイント。

センターを狙ったセカンドサーブは、なんと171キロ! 

おそらく最速サーブでのノータッチエースによる優勝を狙っていたのだろう。

小田の2025年は、センセーショナルなシーズンだった。

シーズン通じて35勝1敗、勝率.972という圧倒的な強さを見せつけた。

全仏、ウィンブルドンと負け知らず。

9月の全米オープンでは、初制覇して19歳3カ月、史上最年少でゴールデンスラム達成した。

全豪の決勝1月25日に敗れて以来、これで371日間、黒星を味わっていない。

快進撃は今シーズンも続く。

全豪前哨戦のメルボルン国際を制すなど、これで8連勝。

2シーズンにまたがる連勝記録は「36」にまで伸びた。

4大会連続でグランドスラムを制覇した。ダブルスも勝ち2大会連続で2冠。

小田がここから目指すは最年少での年間グランドスラム達成だ。

年間グランドスラムは国枝慎吾が5度達成しているが、当時はウィンブルドンで車いす部門が開催されておらず、3大会による達成だった。

4大会を年間を通して達成すれば史上初。

また国枝の最初の年間グランドスラム達成年は2007年で、当時の年齢は23歳。

今シーズン20歳となる小田は最年少記録を狙う。

そしてシーズン無敗へのチャレンジだ。

連勝記録で見ると、車いすテニス女子にはエスター・フェルヘール(オランダ)という伝説的なプレーヤーがいる。2003年1月に敗れてから引退するまで約10年間、470連勝120大会連続優勝を果たした「偉人」だが、これは、あくまで特例。

男子においては、国枝慎吾が2007年11月から2010年11月にかけて、3年間無敗107連勝を続けた。2008年(36勝0敗)と2009年(37勝0敗)と、2年連続でシーズン無敗。

だが、1シーズン無敗は、長い現役生活でこの2度しか達成していない。

国枝のシーズン無敗2シーズンと前後の勝敗
2007年52勝6敗
2008年36勝0敗
2009年37勝0敗
2010年33勝1敗
通算699勝105敗

まだ小田の2026年は8勝0敗だが、2025年全豪以降の無敵ぶりを考えれば、

早くも「レジェンド国枝」に挑戦する権利を持っていると言っていいだろう。

小田の最近のシーズン勝敗
2022年27勝13敗
2023年51勝7敗
2024年45勝3敗
2025年35勝1敗
2026年8勝0敗
通算256勝38敗

自身初の年間グランドスラム達成、そして歴史を塗り替える最年少記録樹立へ、

そして、それをすべて無敗で成し遂げる完全シーズンへ。

小田がどこまで高みを登るか、2026年シーズンも「トキト伝説」は間違いなく続いている。

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テニスうどん
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駆け出しブロガー
スポーツ紙勤務30年で退職した元野球記者、データコラムニスト
大学時代は関西1部リーグ庭球部所属もボーラー、ベンチコーチの方が多かった
数字でテニスを深堀り!時々ただの観戦記。わかりやすくテニスの魅力が伝わればと
ATP、WTAの公式データを参考にさせていただいています。
WOWOW、U-NEXT、ATP、WTAの配信も利用させていただいています。
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