世界スーパーJr 宮澤紗希乃 第6シードに圧勝発進


J300覇者を寄せ付けず
ウィンブルドンU14覇者・宮澤紗希乃(13歳)が快勝発進だ。
9月23日、大阪・靭で行われている世界スーパージュニア1回戦に自身初の出場。第6シードのイ・ハウム(17歳=韓国)に6-1,6-3でストレート勝利した。
相手はITFランク65位で4歳年上。さらには今シーズンJ100大会2大会で優勝、9月13日には、カザフスタンで行われたJ300アスタナで優勝、直近のJ300北京ではベスト4と波に乗る、実力者を寄せ付けなかった。
試合時間1時間10分でアッサリと退けた。
サービスゲームに安定感
宮澤は直前大会のJ200ジャパン・オープン・ジュニアでは準々決勝で敗退。
しかし、この日のサーブは前回より明らかに好調だった。
第1セットのファーストサービスインの確率は74%(20/27)。
4度のサービスゲームをすべてキープし、相手からは2度のブレークを奪い6-1。
続く第2セットも67%(16/24)。
5-2とリードした第8ゲームでこの日初のブレークこそ許したが、第9ゲームでこのセット3度目のブレークを決め、6-3で勝利をモノにした。
結局8度のサービスゲームで7度キープ。
うちラブゲームキープも3度。
マッチ通算のファーストイン確率は71%の安定感だった。
鋭いリターン&驚きのドロップ
だが、それ以上に素晴らしかったがリターンだ。
相手のイ・ハウムはビックサーブから強烈なフォアでリズムを作る選手。
宮澤の安定感と鋭さを兼ね備えたリターンが、完全にその思惑を粉砕した。
第2セット4-2宮澤リードで迎えた相手サーブの第7ゲーム。
宮澤のしつこいリターンの前に、イ・ハウムは3球目のフォアを2連続でミスして0-30。
続くポイントでは、強烈なサーブから3球目フォアをクロスに。イ・ハウムにとっては十分に押し込み、次でウィナーの展開だろうが、
ベースライン上、ライジングで何とか処理したはずの
宮澤のショット選択は、まさかのフォアのドロップ。
これが見事なまでにコントロールされ、ネット前にポトリと落ちた。
鮮やかなノータッチウィナー。
ベースライン内に踏み込んでいたイ・ハウムだったが、
あまりの予想外のショットに2~3メートル手前のボールにまったく反応できず立ちすくんだ。
自分の完璧な3球目までの攻撃を見事なまでに逆転され、
その顔にはショックがありありと浮かんだ。
0-40からダブルフォルトして、ラブゲームでこのゲームを落とし、完全に勝負あった。
次戦も4歳上
宮澤の2回戦の相手はペイエン・デン(17歳=中国)に決まった。ITFランクは235位。今シーズンJ60の大会で3度優勝もしている強者だ。
271位の宮澤にとっては、またも4歳上、格上との戦いなる。
だが、この日の戦いで宮澤は、年上の強力なパワーに押し負けないだけの、テニスIQの高さ、テクニックを存分に見せつけていた。
13歳と17歳。
圧倒的な体格的不利は否めないが、
宮澤は簡単にやられてしまうようなポテンシャルの持ち主ではないことだけは、確かなようだ。
18歳以下の世界トップが集う大会、
とんでもない13歳が、まだまだ驚かせてくれるかもしれない。