坂本怜4時間超え激戦制す


4時間6分逆転
世界ランク291位の坂本怜(19歳)がチャレンジャー75のケーリーテニスクラシック(アメリカ、ハード)に臨んだ。1回戦で第7シード、世界243位のニコラス・メヒア(25歳=コロンビア)と対戦し、見事に逆転勝利した。
スコアは6-7(10),6-3,6-3。
4時間6分にも及ぶ激闘を制した。
第1セットの苦境から
第1セット、先に1ブレークアップして5-4で迎えた自らのサービスゲーム。実に9度のデュースを繰り返す及ぶ長い戦いとなった。
自らのセットポイントが4度あったが、いずれもメヒアの強烈な粘りの前に、あと1本が奪えない。
計24ポイント、17分間に及ぶロングゲームを落としてしまう。
そして、タイブレークにもつれ込んだ。ここでも相手のセットポイントを2度逃れた末、自らにとって5度目のセットポイントを迎える。しかし、モノにできず。結局8-10で落とす。
精神的には、心折れてしまってもおかしくない展開だったが、坂本はここからよみがえった。
キッチリと我慢し、自らに流れが来るのを待った。
最終セット0-40から本領
第2セットは第3、7ゲームでデュースに持ち込まれたが、オールサービスキープ。1ブレークアップで6-3。
最終セットは1ブレークずつで迎えた第7ゲームで、相手サーブを先にブレーク。しかし、4-3リードの自らのサービスゲームを、0-40としてしまう。
第1セットの嫌な流れが間違いなく頭によぎっただろうが、坂本の強気なメンタルは、こんなところで揺らぐものではなかった。
5連続「ド」フラット
アドバンテージサイドで、まずワイドにフラットサーブ一閃。
続くデュースサイドではセンターにフラット。
さらにアドサイドではセンターにフラット。3球目攻撃のフォアでネットを取り、最後は強風の中、スマッシュでポイントをもぎとった。
さらにさらに、デュースからセンターにフラットサーブを決め、アドバンテージ坂本。
この間、相手が返球できたのは1度。その他はエースにこそならなかったが、わずかにラケットに触れただけ。
思わずメヒアはラケットをフェンスに投げつけ、警告を取られた。
それを嘲笑うかのように、続く坂本のサーブはまたもフラット。アドバンテージサイドのコーナーギリギリに突き刺さった。
正真正銘、完全なノータッチエース。
5連続でファーストサービス、しかもすべて「男ならドフラット」を地でいった。
怒涛の8連続ポイント
5-3として迎えた第9ゲームのリターンゲーム。ノンプレッシャーかのように攻め込み0-30。
あまりのショックからか、メヒアは遅延行為でまたも警告を取られた。
続くポイントも、坂本が9本のラリーを制し、あっという間に0-40。
8ゲームの0-40から数えて、坂本の8連続ポイント。
これでほぼ勝負あった。
最終セットの勝負どころ、怒涛の攻めで、その潜在能力の高さを見せつけた。
得意のハードコート
両者の主なスタッツ比較 | ||
坂本 | 項目 | メヒア |
12 | エース | 4 |
42 | ウィナー | 22 |
62 | U E | 50 |
13/15 (87%) | BPセーブ | 8/13 (62%) |
82/133 (62%) | サービスPW | 60/99 (61%) |
121/232 (52%) | トータルPW | 111/232 (48%) |
UE=アンフォーストエラー、BP=ブレークポイント、PW=ポイントウォン |
エース数12本、ウィナー数42本、ブレークポイントは15度迎えながら13度セーブ。セーブ率は87%。
坂本のサーブ力、超強気の爆発力が、得意のハードコートで見事に復活した。
2回戦の相手はパトリック・マロニー(25歳=アメリカ)。世界325位の選手だ。
何よりハードコートシーズンの最大の目標は、チャレンジャーでポイントを稼ぎ、8月の全米オープンの予選を突破することだろう。
さあ、ここからの坂本の巻き返しを楽しみに待つとしよう。
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