望月 ハチャノフ追い込んだ

最後まで食らいつき

世界144位の望月慎太郎（22歳）が惜しくも大金星を逃した。

ウィンブルドン2回戦で世界19位、第17シードのカレン・ハチャノフ（29歳）と対戦。6-1,6-7(9),6-4,3-6,4-6で敗れた。試合時間３時間39分。

最後の最後まで望月の目は死んでいなかった。

ファイナルセット第1ゲームをブレークされた。ゲームカウント1-3で迎えた自らのサービスゲーム。落とせば、ほぼ勝ち目がなくなる状況。２度のブレークポイントを迎えたが、強気のサービスダッシュでしのいだ。５度のデュース、16ポイントを争い、この第5ゲームをモノにした。

第6ゲームをハチャノフにラブゲームキープされると、第7ゲームは逆にラブゲームキープ。観客を煽った。

何とか最後まで勝機を見出そうと、必死に食らいついた。最後はハチャノフのサービス力に押し切られた。

スタッツは圧勝

格上相手に善戦の末、結局敗戦。そんなよくあるパターンの試合では、決してなかった。

本当に勝っていてもおかしくない、望月の良さが凝縮されたナイスゲームだった。

スタッツを比べてみると、どう見ても望月が勝者と思える。

両者のトータルポイントを比較すると166対159で望月の勝利。

ウィナー数は望月60、ハチャノフ47。望月の勝利。

アンフォーストエラーはハチャノフ58に対して望月49と、安定感でも勝った。

光ったリターン力とネットプレー

特に序盤３セットの望月のリターンは素晴らしかった。

198センチの長身ハチャノフのパワーサーブを、腰を落とし丁寧に丁寧に深く配球し続けた。

1回戦同様、ネットプレーも完璧だった。

実に90度も前に出て64ポイントを奪った。

ボレーで23本、スマッシュで７本のウィナーを奪った。

サービススタッツも上

ファースト＆セカンドサーブのアベレージスピードは望月158km、ハチャノフ185km。30km近く望月の方が遅かった。

だが、ファーストサービスポイントウォンは望月70% (55/79)に対して、ハチャノフ63% (70/111)。セカンドサービスポイントウォンも望月54% (38/70)に対して、ハチャノフ51%(33/65)。実は、いずれのサービススタッツもパーセンテージでは望月の方が上だった。

負けていたのはエース数（10本対６本）とファーストイン確率（63％対53％）だけ。

５セットの接戦とはいえ、なぜ「勝利の女神」が望月に微笑まなかったのか、不思議なぐらいだ。

無理やりにでも敗因を探すなら、３日連続の試合となった望月の体力面、第５セットで落ちたリターン精度ぐらいか。

いや冷静に考えれば、ハチャノフの元トップ10らしい、セット終盤のギアアップとサービスの破壊力を称えるべきなのだろう。

世界に示したポテンシャル

シード勢の撃破が続く、ウィンブルドン今大会の流れには乗れなかったが、望月は確固たる実力とポテンシャルの大きさを世界に示した。

身長175センチ、恐れず前へ。日本選手として誇らしい、勇敢な戦いぶりだった。

その証拠に、目のこえたイギリスの観客は最後まで望月を応援し、敗戦後もハチャノフ以上の拍手の大きさで称えた。

来週には早速、チャレンジャー、そしてATP250大会と、ハードコートシーズンが待ち構える。

余韻に浸る暇はない。

この経験を糧に、勝てなかった悔しさの分、イッキにATPポイントを稼ぎまくってもらおうじゃないか。

▶「WOWOW official」動画より ハチャノフ戦ハイライト

スポンサーリンク

大塚製薬 ポカリスエット イオンウォーター 900ml×12本 新品価格 ￥1,728から (2025/7/4 09:25時点)

コカ・コーラ アクエリアス ゼロ 500mlPET×24本 新品価格 ￥1,955から (2025/7/4 09:23時点)

テニスうどん

駆け出しブロガー

XInstagram

スポーツ紙勤務30年で退職した元野球記者、データコラムニスト
大学時代は関西１部リーグ庭球部所属もボーラー、ベンチコーチの方が多かった
数字でテニスを深堀り！時々ただの観戦記。わかりやすくテニスの魅力が伝わればと
ATP、ＷTAの公式データを参考にさせていただいています。
U-NEXT、WTAのテニス配信も利用させていただいています。