小田凱人 年間グランドスラム逃す

ヒューエットにストレート
男子車いすテニスの世界ランク1位、小田凱人(20歳)が年間グランドスラムを逃した。
9月12日、全米オープン決勝に臨み、同2位の宿敵、A・ヒューエット(28歳)と対戦。
試合時間1時間37分、0-6,6-7(5)のストレートで敗れた。
まさかの準優勝に終わった小田は、表彰式で悔しそうに話した。
「今は本当に辛いです。今年は年間グランドスラム達成を目指していました。この大会が最後のピースでした。本当に辛いですが、今日は彼の日だったと思います」。
喜びを爆発させるヒューエットの傍らで小田の表情は終始、硬いままだった。
グランドスラム連続V止まる
グランドスラムの制覇は6大会連続でストップ。
何より、男子車いすテニス史上初の偉業となる年間グランドスラム達成を逃した。
| 小田の全グランドスラム成績 | ||||
| 全豪 | 全仏 | ウィン | 全米 | |
| 2026 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | 準V |
| 2025 | 準V | 優勝 | 優勝 | 優勝 |
| 2024 | 優勝 | 優勝 | SF | ー |
| 2023 | 準V | 優勝 | 優勝 | 1R |
| 2022 | ー | SF | QF | QF |
| 通算 | 14勝 2敗 | 18勝 1敗 | 13勝 2敗 | 8勝 3敗 |
| ※2024年パリ・パラリンピック シングルス金メダル、2024年全米はパラと同年のため不開催 | ||||
元王者のアグレッシブさに屈す
ヒューエットの想像を超えたアグレッシブなプレーの前に屈した。
サービスはコーナーボックスを次々ととらえ、信じられないナイスリターンを連発した。
ネットプレーも凄まじく、最後まで攻めの姿勢を崩さなかった。
エースの数、ウィナー数とも圧倒された。
| 小田VSヒューエット スタッツ | ||
| 小田 | 項目 | ヒューエット |
| 2 | エース | 5 |
| 7 | ダブルフォルト | 7 |
| 61% | 1stサーブイン | 59% |
| 50% | 1stサーブPW | 64% |
| 26% | 2ndサーブPW | 38% |
| 44% | ブレークPW | 64% |
| 5/8 | ネットPW | 8/13 |
| 27 | ウィナー | 33 |
| 18 | UE | 17 |
| 61 | トータルPW | 79 |
| PW=ポイントウォン、UE=アンフォーストエラー | ||
第2S 3度のセットポイントも
とはいえ勝負は時の運。
小田が試合後、あれほど悔しがったのは、セカンドセットを取り切れなかったことだろう。
第1セット、まさかの0-6を食らった後の第2セット序盤。
息を吹き返して3ゲーム連取。
2ブレークアップの4-1、ナイスキープの5-3としたが、セット奪取には至らなかった。
2度のサービング・フォー・ザ・セット、3度のセットポイントを逃した。
「試合中、自分の中で負けるかもしれないという思いがよぎってしまいました。それが敗因だったかもしれません」。
強気が売りの小田が珍しくメンタル面で押し切られた。
ヒューエット戦の連勝も止まる
今大会すべてストレート勝利で決勝まで勝ち上がった。
圧倒的な強さを見せてきたが、ヒューエットとの直接対決で敗れた。
今シーズン2勝2敗の後、4連勝していたが、こちらも止められた。
| 2026年の小田凱人vsA・ヒューエット | ||||
| 2026年9月 全米オープン決勝 | ||||
| 小田 | ⚫️ | 0-6,6-7(5) | ⚪️ | ヒューエット |
| 2026年7月 ウィンブルドン決勝 | ||||
| 小田 | ⚪️ | 6-1,6-1 | ⚫️ | ヒューエット |
| 2026年7月 ブリティッシュ・オープン決勝 | ||||
| 小田 | ⚪️ | 6-3,6-1 | ⚫️ | ヒューエット |
| 2026年6月 全仏オープン決勝 | ||||
| 小田 | ⚪️ | 6-3,6-3 | ⚫️ | ヒューエット |
| 2026年5月 WC1000バルセロナ決勝 | ||||
| 小田 | ⚪️ | 6-2,6-1 | ⚫️ | ヒューエット |
| 2026年4月 WC1000飯塚国際決勝 | ||||
| 小田 | ⚫️ | 6-4,4-6,2-6 | ⚪️ | ヒューエット |
| 2026年3月 WC500 マイアミ決勝 | ||||
| 小田 | ⚫️ | 1-6,4-6 | ⚪️ | ヒューエット |
| 2026年3月 WC1000 バトンルージュ決勝 | ||||
| 小田 | ⚪️ | 1-6,6-2,6-4 | ⚫️ | ヒューエット |
| 2026年1月 WC1000 メルボルン決勝 | ||||
| 小田 | ⚪️ | 4-6,7-6(4),7-5 | ⚫️ | ヒューエット |
来年の偉業は?
小田は毎年のように史上初の偉業を成し遂げてきた。
もちろんグランドスラム3冠、全仏オープン4連覇は素晴らしい。
だが、2026年シーズンの最大の目標に、年間グランドスラムを掲げてきた小田にとって、この敗戦は、とてつもなく大きな「挫折」と言えるだろう。
| 小田の過去3年のトピック | |
| 2023年 | 史上最年少世界1位 |
| 2024年 | パリ・パラ金メダル |
| 2025年 | ゴールデンスラム |
| 2026年 | グランドスラム3冠 |
ヒューエットの決勝でのサービスのアベレージ速度は、
小田と同じ84マイル(135キロ)に到達した。
小田のサービス力に負けじと、明らかに球速も精度も上げてきた。
スピーチでヒューエットは改めて小田を称えた。
「あなたがみんなのレベルを上げてくれている」。
その言葉に応えるためには、持ち越した年間グランドスラムを、何としても2027年に成し遂げるしかない。




