坂本怜 やった!グランドスラム初勝利

2日がかりフルセットで
坂本怜が自身初となるグランドスラム本戦勝利を挙げた。
世界ランク157位、坂本怜(20歳)が8月30日、全米オープン1回戦に臨み、世界ランク96位のアレクサンダル・ブキッチ(30歳=オーストラリア)と対戦。6-4,6-7(5),6-4,3-6,6-4のフルセットで見事、勝利した。
ファイナルセット1ブレークアップ。ゲームカウント4-3。自らのサービスゲーム、30-15という終盤で雨天サスペンデッド。
否応がなしに、グランドスラム初勝利を意識してしまう状況だったが、
きっちりとサービスキープを続け、2日がかりの熱戦を制した。
試合時間3時間19分。
勝利の瞬間、力強くガッツポーズを決めた後、満足げに侍ポーズも見せた。
5セット長丁場耐え
グランドスラム本戦は2度目。
今シーズンの全豪オープン1回戦で当時150位、現在13位まで世界ランキングを上げているラファエル・ホダル(19歳=スペイン)に惜敗して以来だったが、今回は見事5セットを計算づくで勝ちきった。
| 坂本の過去のグランドスラム成績=選手名の後ろは当時の世界ランク | ||||
| 2025年1月 全豪オープン | ||||
| 予選1回戦 | ⚫️ | T・ボイヤー | 136 | 0-6,2-6 |
| 2025年8月 全米オープン | ||||
| 予選1回戦 | ⚪️ | T・ジンク | 348 | 4-6,7-5,7-6(8) |
| 予選2回戦 | ⚫️ | I・ブセ | 135 | 4-6,6-4,4-6 |
| 2026年1月 全豪オープン | ||||
| 予選1回戦 | ⚪️ | D・エバンス | 187 | 6-1,6-2 |
| 予選2回戦 | ⚪️ | C・スミス | 148 | 6-4,6-4 |
| 予選決勝 | ⚪️ | G・ゼッピエリ | 156 | 6-2,6-2 |
| 1回戦 | ⚫️ | R・ホダル | 150 | 6-7(6),1-6,7-5,6-4,3-6 |
| 2026年5月 全仏オープン | ||||
| 予選1回戦 | ⚫️ | P・マルティネス | 140 | 2-6,5-7 |
| 2026年6月 ウィンブルドン | ||||
| 予選1回戦 | ⚪️ | A・マツセビッチ | 376 | 7-6(6),3-6,6-3 |
| 予選2回戦 | ⚪️ | A・ドゥガズ | 828 | 6-4,6-4 |
| 予選決勝 | ⚫️ | J・ファリア | 98 | 6-7(3),6-4,3-6,4-6 |
| 2026年8月 全米オープン | ||||
| 予選1回戦 | ⚪️ | J・クラーク | 239 | 4-6,6-3,6-4 |
| 予選2回戦 | ⚪️ | A・ミュラー | 138 | 6-3,6-3 |
| 予選決勝 | ⚪️ | 錦織圭 | 477 | 6-4,7-6(3) |
| 1回戦 | ⚪️ | A・ブキッチ | 96 | 6-4,6-7(5),6-4,3-6,6-4 |
再開後もサービス6連続ポイント
坂本は終始、得意のサービスが冴え渡った。
第2セットはタイブレークで落としたが、
第1セットから第3セットまでオールキープ。

第4セットこそ2ブレークを許した。
だが、ファイナルインを見越していたかのように、
最終セット第1ゲームでブレーク成功。
その後、難しい翌日持ち越し。
しかも前の試合は、ファイナルセットタイブレーク3時間42分と多く待たされたが、集中力を維持した。
再開後、サービスゲームで1ポイントも失わず6連続ポイント。
このセット、オールサービスキープで決着を付けた。
エース38本ウィナー76本
サービスエース38本を含むウィナー数は実に76本。
アンフォーストエラーこそ、ブキッチ29本に対してわずかに多い34本だったが、サービス、速いテンポのストロークと攻め抜く姿勢は最後まで崩れなかった。
| 両者のサービススタッツ | ||
| 坂本 | ブキッチ | |
| 38 | エース | 22 |
| 70%(105/149) | 1st確率 | 58% (85/147) |
| 79%(83/105) | 1stPW | 84%(71/85) |
| 57%(25/44) | 2ndPW | 48%(30/62) |
ネットでのポイント獲得率も76%(13/17)と、ブキッチの67%(8/12)をパーセンテージ、回数とも上回った。
錦織 西岡に次ぐ若さ
20歳2カ月でのグランドスラム初勝利は、錦織圭の18歳7カ月、西岡良仁の19歳11カ月に次ぐ若さでの達成。
| 日本男子グランドスラム主な本戦初勝利時の年齢 ※全英=ウィンブルドン | |||
| GSM初出場 | 本戦初勝利 | 年齢 | |
| 錦織圭 | 2007年全米 | 2008年全米 | 18歳7カ月 |
| 西岡良仁 | 2014年全米 | 2015年全米 | 19歳11カ月 |
| 坂本怜 | 2026年全豪 | 2026年全米 | 20歳2カ月 |
| 松岡修造 | 1988年全豪 | 1988年全米 | 20歳9カ月 |
| 望月慎太郎 | 2021年全英 | 2025年全英 | 22歳0カ月 |
| ダニエル太郎 | 2014年全豪 | 2016年全仏 | 23歳3カ月 |
| 綿貫陽介 | 2018年全英 | 2023年全豪 | 24歳9カ月 |
錦織のグランドスラム初出場は2007年全米オープン。2008年全米オープンでのグランドスラム本戦初勝利まで丸1年、4大会を要した。
西岡は最初のグランドスラムとなった2014年全米で予選3試合を突破。本戦に出場したが1回戦敗退。本戦初勝利は、2015年全米オープン。丸1年、5大会を要した。
坂本は2025年全豪オープンの初出場から1年半、6大会を要したが、
日本のトップを牽引してきた両者と、ほぼ遜色ない成長曲線を描いていると言えるだろう。
ちなみに望月慎太郎は予選初出場から本戦勝利の壁突破まで11大会、ダニエル太郎は10大会、綿貫陽介は8大会を必要とした。
島袋将は今大会13度目のグランドスラム出場だったが、またも本戦初勝利ならず。
「グランドスラム本戦1勝」の壁がいかに難しいかが分かる。
錦織の言葉を現実に
今大会予選決勝では最後のグランドスラムとなった錦織圭(36歳)を下しての勝ち上がり。
試合後、特別セレモニーを受ける大先輩の姿を直立不動で見守りり、目に焼き付けた。
フェデリコ・リッチ・コーチからは試合前に『この瞬間を忘れるなよ。キャリアの終盤になっても、この瞬間を思い出す、そんな瞬間だぞ』と声をかけられていたという。
そしてセレモニーの中で、
わざわざ錦織は「怜はすぐにでもトップ10に入れる選手」と、
世界のテニスファンの前で公言してくれた。
グランドスラム1勝で喜びに浸ってばかりもいられない。
目指すは憧れ続けた大先輩の言葉を、なるべく早く現実にすることだ。
2回戦の相手は世界12位で大会第11シードのフランシス・ティアフォー(28歳=米国)になる可能性が高い。
キャリアハイ10位。今、倒すには格好の相手だ。




