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伊藤あおいの試合予定と結果は

小田凱人 日本を7年ぶり優勝に導く

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車いすテニスの世界国別選手権、BNPパリバ ワールドチームカップ決勝「日本対チリ」戦が5月11日、トルコ・アンタルヤで行われ、日本が2-0で勝利し、7年ぶりの優勝を果たした。

シングルス第1戦で世界9位の三木拓也(36歳)が同38位のB・タピア(27歳)を3-6,6-2,6-2の逆転で下して日本が先勝。続くシングルス第2戦で、世界1位で日本のエース、小田凱人(19歳)が同16位のA・カタルド(27歳)を6-1,6-2で倒し、日本の2勝目を挙げ、ダブルスの結果を待たずして、チームの勝利を決めた。

グループ予選でシングルス2勝、ダブルス2勝。準決勝もシングルスで日本の勝利を決め、決勝は、危なげなく1時間ジャストでの勝利。

トータルポイントは62‐40。赤土で高く跳ね上がる強烈なスピンサーブ。相手の肩口を越えるところで打たせるフォア、バックのトップスピン。バウンド後には跳ねなくなる、クレーコートのサーフェスの特性を活かしたドロップショットも面白いように決まった。

両者のトータルポイント
小田カタルド
第1S3119
第2S3121
通 算6240

圧巻は第1セット3-0で迎えた第4ゲームのリターンゲーム15-0。アドバンテージサイドで相手のボディーサーブをバックで叩き、いつでもネットに詰められるという、Tゾーンから1メートル後ろのポジション。

相手の返球が浅いとみるや、そのまま横に動き、鮮やかなバックハンドドロップショット。

ネットの向こう50センチほどにバウンドさせたボールには強烈なバックスピンがかかっており、3バウンドする前にはネットに当たっていた。

相手のカタルドは懸命に追っていたが、成す術なし。「ノットアップ」の審判のコールが響くと、あまりの完璧な軌道に、驚嘆のため息がスタンドから漏れた。

大会を通じて小田が、唯一苦しんだのが準決勝イギリス戦。決勝と同じく1勝先勝でバトンを渡された第2試合。同世代のB・バートラム(19歳)と対決した。

過去4勝0敗の相手に第1セット6-2。第2セットも5-4リードで自らのサービスゲームだった。しかし、相手の意地の猛攻を受け0-40。小田も強烈なスピンサーブなどで追いついたものの長いデュースの末、ブレークを許した。結局。このセット6-7で落とす。

対バートラムも、今大会を通じても初の失セットだったが、最終セットは6-3。キッチリと相手の勢いを止め、王者の貫禄を見せた。

凸凹が生まれる赤土にも屈しない、確固たるチェアワーク、強烈なスピン、ドロップショットの強弱両方を併せ持つテニスセンス。

この日の決勝に象徴される三拍子揃ったプレースタイルは、まさに赤土の申し子だ。

この勝利で、2011年以降のクレーコートでの通算成績は91勝7敗。

全仏オープン2連覇を始め、勝率は驚異の9割2分9厘を誇る。

通算勝率は8割5分7厘(228勝38敗)は、それだけで十分過ぎるほど驚異的なのだが、それをはるかに上回っている。

小田のサーフェス別勝率
クレーハードその他
10勝3敗91勝7敗110勝22敗17勝6敗
.769.929.833.739

小田にとって、このBNPパリバ ワールドチームカップは、2021年にジュニア部門で日本に初優勝をもたらした思い出深い団体戦。

2022年には、尊敬する国枝慎吾選手らとともに史上最年少15歳10カ月で初選出された大会でもある。

日本はその国枝を中心に、過去2003、2007、2011、2018年と過去4度優勝しているが、小田が出場した2022、2023年は優勝を逃し、小田が出場しなかった2024年は13位。

国枝から日本のエースを託された若武者が、初めて日の丸を背負って栄冠を手にした。

6月には3連覇をかけた全仏オープンが始まる。

赤土で絶対的な強さを見せつけ、日本のエースとしての重責も果たした。

1月の全豪オープン決勝でA・ヒューエットに敗れてから、飯塚国際3連覇、BNPパリバ ワールドチームカップ日本優勝けん引と、自身7連勝。クレーコートでは昨年の全仏オープンから数えて13連勝。

勢いそのままに、さらなる称号を手にするべく、パリに乗り込む。

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ABOUT ME
テニスうどん
テニスうどん
駆け出しブロガー
スポーツ紙勤務30年で退職した元野球記者、データコラムニスト
大学時代は関西1部リーグ庭球部所属もボーラー、ベンチコーチの方が多かった
数字でテニスを深堀り!時々ただの観戦記。わかりやすくテニスの魅力が伝わればと
ATP、WTAの公式データを参考にさせていただいています。
U-NEXT、WTAのテニス配信も利用させていただいています。
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