BJK杯 日本 イギリスに完敗



ストレートで敗退
女子テニスの国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ」(BJK杯)byケンブリッジ ファイナルの日本対イギリス戦が9月18日、中国深圳で行われた。
第1試合はNo.2シングルス対決で、世界164位柴原瑛菜(27歳)対世界82位ソナイ・カルタル(23歳)。柴原が3-6,6-7(4)でストレート敗れた。
第2試合はNo.1シングルス対決で、世界92位内島萌夏(23歳)対世界55位ケイティ・ボルター(28歳)。あとがなくなった日本は、勝つしか道がなかったが、日本のエースを担った内島は1時間8分、2-6,1-6のスコアで敗れた。
ダブルスの結果を待たずして準々決勝での敗退が決まった。
ビリー・ジーン・キング・カップ対戦カード | |
第1試合 | 柴原瑛菜VSソナイ・カルタル |
第2試合 | 内島萌夏VSケイティ・ボルター |
第3試合 | 青山&穂積VSバラージ&ジョーンズ |
※第3試合は行われず |
内島5ブレーク許す
内島は第1セットで2ブレーク、第2セットで3ブレーク、計5ブレークを許した。
逆に自身のリターンゲームを見ると、第1セットはブレークポイントすら1度も奪えず。
第2セットは序盤に2度チャンスがあったが、いずれもボルターにセーブされた。
第1試合をモノにしている余裕からか、両者の思い切りの差が極端な形になって表れた。
内島BPセーブ率0% ボルター100%
内島のブレークポイントセーブ率は0%、ボルターは100%。
内島が迎えたブレークポイント5回はいずれも1度で決められ、そのままブレークに直結した。
各セットブレークポイントセーブ率 | ||
内島 | ボルター | |
0/2 (0%) | 第1S | 0/0 (0%) |
0/3 (0%) | 第2S | 2/2 (100%) |
0/5 (0%) | マッチ | 2/2 (100%) |
内島のブレークポイントでのプレー内容を見ていく。
- 第1セット2-2 第5ゲーム15-40
→5本のラリー、内島のフォア強打ミス
- 第1セット2-4 第7ゲーム30-40
→13本のラリー、内島強打フォアミス
- 第2セット0-0 第1ゲーム15-40
→7本のラリー、内島フォアネットミス
- 第2セット1-3 第5ゲーム30-40
→リターン強打され3本目の内島フォアミス
- 第2セット1-5 第7ゲームADボルター
→8本のラリー、ボルターフォア逆クロスウィナー
最後のブレークポイントはマッチポイントでもあった。
積極的なリターンから、長いラリーに持ち込まれ、内島が強打をミスするシーンが目立った。
勝負どころでの粘り強さは完全にボルターに軍配が上がった。
日比野菜緒や、青山修子、穂積絵莉の必死の応援も届かなかった。
これが団体戦の難しさなのかもしれない。
日本代表 | 年齢 | シングルスランク | ダブルス ランク |
内島 萌夏 Moyuka Uchijima | 23 | 92 | 104 |
柴原 瑛菜 Ena Shibahara | 27 | 164 | 68 |
日比野菜緒 Nao Hibino | 30 | 201 | 181 |
穂積 絵莉 Eri Hozumi | 31 | 924 | 29 |
青山 修子 Shuko Aoyama | 37 | ー | 38 |
キャプテン=杉山愛(50歳) |
世界ランクは9月15日付け
イギリス代表 | 年齢 | シングルスランク | ダブルス ランク |
ケイティ・ボルター Katie Boulter | 28 | 55 | 311 |
ソナイ・カルタル Sonay Kartal | 23 | 82 | 174 |
フランチェスカ・ジョーンズ Francesca Jones | 24 | 73 | ー |
ジョディ・バラージ Jodie Burrage | 25 | 149 | 123 |
キャプテン=アン・ケオタヴォン(41歳) |
世界驚かす日本をもう1度
ダブルスでは多くの上位ランカーを擁するだけに、なんとか最終第3試合まで持ち込みたかったというのが杉山キャプテンの本音だったろう。
接戦の予選を勝ち抜き、ファイナルに進出。
日本の2年連続ベスト8進出は確かに立派だった。
だが、29年ぶりベスト4進出までには、大きな差を感じざるを得なかった。
出揃ったベスト4国はイタリア、ウクライナ、アメリカ、イギリス。強豪国が並ぶ。
ビリー・ジーン・キング・カップの前身となる1996年のフェドカップ。「有明の奇跡」と言われたドイツ戦。
勝利した時の代表メンバーには伊達公子、杉山愛がいた。シングルス、ダブルスに、女王シュテフィ・グラフを倒せるだけの確固たる軸があった。
直前に大坂なおみが故障で欠場するアクシデントもあったが、大坂頼りではない、層の厚い日本女子が世界を驚かすシーンをもう1度見たい。
