木下晴結 齋藤咲良倒し8強

同じ2006年生まれ対決
世界ランク276位の齋藤咲良(19歳)と世界315位の木下晴結(19歳)が、3月19日、ITF W75「甲府国際オープンテニス」(山梨)シングルス2回戦で顔を合わせた。
ともに2006年生まれ。先週大会の島津国際全日本室内でもダブルスで準優勝、今大会も勝ち進んでいるペアが、シングルスで対峙することになった。
結果は6-4,6-0のストレートで木下に軍配が上がった。
試合時間は1時間11分。
木下がプロ入り後初勝利
齋藤は10月3日、木下は10月27日と、誕生日も近い同じ10月生まれ。
9歳から国際大会でしのぎを削り日本代表として幾多の試合をともに戦ってきた盟友同士だ。
両者のITFでの対決は、ジュニア時代は齋藤が2勝1敗と勝ち越し。
プロ入り後1度あった昨年11月の浜松ウィメンズ2回戦でも齋藤が勝っていた。
木下にとっては今回、プロ入り後初めて齋藤から挙げる白星となった。
| 過去の齋藤咲良vs木下晴結 | ||||
| 2020年12月 J5松山(リポビタン国際ジュニア) 準々決勝 | ||||
| 齋藤 | ⚪️ | 6-2,6-4 | ⚫️ | 木下 |
| 2021年9月 J4三木(兵庫国際ジュニア) 準々決勝 | ||||
| 齋藤 | ⚫️ | 6-2,6-7(4),3-6 | ⚪️ | 木下 |
| 2022年10月 JA大阪(世界スーパージュニア) 準決勝 | ||||
| 齋藤 | ⚪️ | 6-3,6-1 | ⚫️ | 木下 |
| 2025年11月 W35浜松ウィメンズ 2回戦 | ||||
| 齋藤 | ⚪️ | 7-5,6-4 | ⚫️ | 木下 |
| 2026年3月 W75甲府国際 2回戦 | ||||
| 齋藤 | ⚫️ | 4-6,0-6 | ⚪️ | 木下 |
互角の第1セット
両者とも積極的なリターン、積極的なダウンザライン展開をするストロークの打ち合いを、真っ向から挑んだ。
第1セットはハイレベルが攻防が続き終盤まで完全に互角。
ブレークすればブレークバックするという展開。
トータルポイント「41」対「35」という、僅差で木下が上回った。

第2セット第4ゲームで勝負あり
第1セットを奪い、第2セットに入ると、木下の積極性がさらに増した。
ポイントを挙げるたびに拳を握る木下の気迫が、齋藤を徐々に上回っていく。
木下の3-0リードで迎えた第4ゲーム、齋藤のサービスゲームで決定的なシーンがあった。
このゲームの最初のポイント、齋藤は5球目のフォアをミス。
続くポイントも5球目のフォアをミス。
さらには3球目のフォアをミスした。
1本返したものの齋藤から15‐40のピンチ。
齋藤の3球連続フォアのミスを見た木下は、ここで徹底的な戦略に打って出た。
3連続ミスのフォアを5度打たせ
木下は、齋藤のサーブをバックで中央やや逆クロス側にリターン。齋藤はフォア。
続くセンターのボールもバックで逆クロスへ。齋藤はフォア。
続くセンターのボールもバックに回り込み逆クロスへ。齋藤はフォア。
さらに中央のボールをフォアでクロス。齋藤はフォア。
しびれを切らした齋藤が5連続目のフォアでクロス展開する。
すると、読み切っていた木下はサービスボックス角付近に落ちる見事なクロス。
ストレートを警戒していた齋藤は、
ややスタートが遅れて、5連続のフォアを打たされた。
完全にコート外に動かされた齋藤。
次の木下のフォアのダウンザラインを、なすすべなく見逃すしかなかった。
僚友の心理見逃さず
木下のバックvs齋藤のフォアという攻防。
木下はフォアに一瞬自信をなくした齋藤の心理状態を見逃さなかった。
さらに絶対に落とせないブレークポイント。
無理はできない齋藤の打つコースを読み切っていた。
そんな状況下で見せた
木下による執拗な齋藤のフォア狙いだった。
木下は、完全に相手の心を折る形で、このセット2度目のブレークに成功。
これで完全に勝負あった。
ランキング接近中
齋藤は2024年12月16日付けで世界ランク150位にまで上げ、
2006年世代の中で常にトップを走ってきた存在だった。
だが2025年は思うように勝てない日々が続き、ランキングは270位台にまで落ち込んでいた。
一方で木下は2025年5月、W15福井大東建託オープンで初優勝。先週大会2026年3月、W75島津国際全日本室内では、予選から7試合を勝ち抜き優勝。
ランキングを100位以上上げ、自己最高の315位とした矢先。
同じ島津国際の2025年度覇者だった齋藤には、否が応でも意識せざる得ない相手だったろうが、今回は、その勢いの差を見せつけられた。
| 齋藤 | 項目 | 木下 |
| 150位 | キャリアハイ | 315位 |
| 276位 | 世界ランク | 315位 |
| 2006.10.3 | 生年月日 | 2006.10.27 |
| 19歳 | 年齢 | 19歳 |
| 群馬県前橋市 | 出身 | 大阪府枚方市 |
| 右利き | 利き手 | 右利き |
| 両手打ち | バック | 両手打ち |
| 2022年 世界スーパーJr | Jrタイトル | 2021年 世界スーパーJr |
| 2024年W100 ビアリッツなど 4大会優勝 | シングルス タイトル | 2026年W75 島津国際など 2大会優勝 |
木下またキャリアハイ更新へ
この勝利で木下は自己最高ランクの更新は確実。
準々決勝は世界148位で第3シード、ソフィア・コストゥラス(20歳=ベルギー)と対戦する。ここも勝利すれば、ランキングはついに200位台に突入する。
プロ入り後の齋藤と木下の対決は1勝1敗の五分に。
2人のしのぎを削る戦いは、まだまだ始まったばかり。
いやどちらかと言わず、2人ともトップ100を狙える逸材なのは間違いない。




