坂本怜 集中力&バック冴え4強

自身6度目のベスト4
世界ランク168位で大会第2シードの坂本怜(19歳)が2月20日、チャレンジャーのデリーオープン準々決勝に臨み、225位で大会第6シードのフェデリコ・チナ(18歳=イタリア)と対戦。6-7(7),6-3,6-2のスコアで見事逆転勝利した。
試合時間2時間43分との熱戦を制して
自身6度目となるチャレンジャー大会ベスト4入りを果たした。
| 坂本の過去のチャレンジャー準決勝以上 | ||
| 年月 | 大会名 | 最終結果 |
| 2026年2月 | ニューデリー | ? |
| 2026年2月 | ブリスベン | 準決勝敗退 |
| 2025年11月 | 横浜慶應 | 優勝 |
| 2025年7月 | ケーリー | 優勝 |
| 2025年1月 | ノンタブリー | 準決勝敗退 |
| 2024年12月 | 四日市 | 優勝 |
第1セット落とす苦しい展開
ジュニア時代に数多くダブルスを組み、2024年全仏オープンジュニアでは準優勝を果たしている元僚友チナとの対決。
プレーぶりを熟知しているからこそ、互いに探り合い不要とばかり、序盤から真っ向勝負で打ち合う、激しいラリー戦を展開した。
第1セットは両者2ブレークずつ。もつれ込んだタイブレークは、先に2度セットポイントが坂本にあったが、奪いきれず7-9で落とした。
3週連続チャレンジャーを戦い、すべてベスト8以上の好成績と引き換えに、ハードスケジュールを強いられている。
そんな今の坂本にとっては体力的にも
ここからフルセットに持ち込んでの逆転は苦しいかと思われた。
まさかのオーバーコール
第2セットに突入。
さらに追い打ちをかけるように、坂本には「試練」が待ち受けていた。
1-0で迎えた2ゲーム目のリターンゲーム。
坂本にブレークチャンスが芽生えたデュースの場面だった。
チナのセンター付近から7球目を打ったクロス気味のフォアショット。ラケットの先に引っかかった分、サイドラインを割ったように見えた。
線審は「アウト」のコール。
だが、主審は手を水平にかざし「イン」とオーバーコールした。
坂本は不満げだったが、しばらくのアピールで引き下がり、結局このゲームをキープされた。
またもデュースでオーバーコール
続く坂本のサービスゲーム。
お互いのギアがさらに上がり、激しい前後左右の揺さぶりが続いて、デュースにまでもつれた。
そしてアドバンテージ坂本。
チナの4球目フォアのつなぎ球のクロスは、先ほどのゲームと同じく主審側のサイドライン際に落ちた。
ラインを割ったと判定した線審は「アウト」とコールし、坂本も追うのをやめた。
だが、わずかに遅れて主審からは「コレクション、グッド」の声が挙がる。
まさかの2ゲーム連続、デュースでのオーバーコール。
しかもチナのウィナーと判定された。
当然、坂本はコートにしゃがみ込んでアピールしたが、覆らない。
なんとかサーブと強烈なフォアのウィナーで、坂本は、このゲームをキープし耐えきった。
20ポイント11分間要しブレーク
これまでの坂本なら気持ちが乱れてもおかしくない場面を冷静に乗り切った。
そして、続く第4ゲーム。
ここでも坂本の集中力は研ぎ澄まされていた。
5度のブレークポイントをしのがれても粘り強い攻撃の手を緩めない。
6度目のブレークポイントでチナがついに力尽きたかのようにバックをミスした。
ブレーク成功。その瞬間、坂本はただ静かに拳を握った。

デュース7度、争ったポイントは実に20ポイント。
11分を要して、ついに決定的な1ゲームをモノにした。
「2ゲーム連続不利なジャッジ」の後も見事、メンタルを保ち続けた成果だった。
ウィナー49本 エース12本
ファイナルセットも、互いにウィナーを狙い合う、見応えある撃ち合いが続いた。
それでも流れは完全に坂本に傾いた。
坂本は、最終セットのウィナー数13本。アンフォーストエラーも8本に抑え、勝利へと突き進んだ。
マッチ通算ウィナーは実に49本。チナの27本を上回った。
サービスエースの数は12本。こちらも1本のチナに大差をつけた。
| 両者セットごとのウィナー数とUE数 | ||
| 坂本 | チナ | |
| 22/27 | 第1S | 8/13 |
| 14/16 | 第2S | 12/15 |
| 13/8 | 第3S | 7/9 |
| 49/51 | 通算 | 27/37 |
| ※UE=アンフォーストエラー | ||
7本のバックウィナー
試合を通じて目立った坂本の思い切りの良さとメンタルの充実ぶり。
さらにショットで大きな成長を感じさせたのが、バックのダウンザラインだった。
オフに様々なフォーム改造に取り組んだというが、明らかに昨シーズンより当たりが厚くなり、鋭く振り抜けている。
大きなキーとなった第2セット第4ゲームのロングゲームでも、
鮮やかなストレートウィナー2本がブレークにつながった。
ともに4球目、従来にはあまり見られなかった相手の意表を突く攻撃。
これには旧知のチナが驚いた表情を見せていた。
ファイナルセットの最初のブレークゲーム、第5ゲームでも8球目のバックをストレートにカウンターでウィナー。
バックのストロークウィナーは第1セット2本、第2セット4本、第3セット1本。
強力なフォアだけでなく、バックでも計7本のウィナー。
うちダウンザラインは5本を数えた。
準決勝は再びシード選手
準決勝の相手は世界215位で大会第5シードのオリバー・クロフォード(26歳=イギリス)。
この難敵を突破すれば、ドロー内にシード選手は残っておらず、坂本はチャレンジャー4度目の栄冠に大きく近づく。
すでに過去の世界ランク最高位159位更新ラインにいるが、優勝となれば150位内突入までも濃厚となる。
昨年の横浜慶應チャレンジャーから3セットのファイナル突入時は5連勝。
しかもすべて第1セットを落としてからの逆転劇。
冷静さを保ち、きっちりと勝つべき試合を勝てているのが印象的だ。
連戦でも元気いっぱい。メンタルもショットも充実一途。
ここまで来たらあと2勝を手にして、気持ちよくチャレンジャー3連続週を終えてもらいたい。




